出来損ないの少女【H×H】 (ページ8)

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8　ほんのり下剤臭ページ8

「どうぞー！番号札を、お取り下さい。」

突然声を掛けられ振り返ると、そこには数字が書かれたプレートを持つ......豆？？

「どうも。...99番ってきり悪い。」

「はい、どうぞー！」

『あ、ありがとうございます。』

「必ず、胸に付け、紛失されませぬようよろしくお願い致します。」

お豆さん(仮)はプレートを渡すと、さっさとどこかへ行ってしまった。
渡されたプレートを胸に付けようと見ると、100番と書かれていた。ちょっと嬉しい。

まだ試験開始まで時間あるな、と話していると16番のプレートを付けたおじさんに声を掛けられた。

「キミ達、新顔だな。オレはトンパ。試験を35回受けてるから、分からないことがあったら何でも聞いてくれ。」

にこにこと愛想良く笑うトンパさん。どこか怪しい。

遠慮なくほかの受験者の話を聞くと、最後は「お近付きの印に」と缶ジュースを手渡された。
キルアがジュースを飲み始め、私も缶の蓋を開けたのをみたトンパさんは「じゃ、オレは失礼するよ」と満足気に立ち去った。

「A、飲まないの？」

『うん。ジュース好きじゃないし...ほんのり下剤の匂いがするから。キルアいる？』

「いる。やっぱ下剤だったか。お前ほんと鼻利くなー。」

『毒とかに対してだけだけどね。』

「いやいや...お前の五感は人並み以上だろ...」

それは初耳だ。他の人よりも少し毒の判別ができるくらいの嗅覚だと思っていた。
誰か教えてくれても良かったじゃない...

「あージュース飲み終わっちゃった。...そうだ、トンパさんに貰ってこよ。」

『私はここで待ってる。あんまりトンパさんをいじめ過ぎないでね？可哀想だから。』

「あれ、バレてた。」

分かりますとも、片割れの考えることなんて。私もあの人は弄りがいがありそうだって思ったから、少しだけ。

「...まぁ気を付ける。じゃ、大人しく待ってろよー。」

『はいはい。』

しばらくして戻ってきたキルアはとても楽しそうな顔をしていた。ごめんねトンパさん。

「オレもっかいトンパさんのところに...」

『ダメ。本当にトンパさん可愛そうだし、キルアもそろそろお腹壊しちゃうかもしれないでしょ！』

「ちぇー。」

最近キルアがしっかりし過ぎていたけど、久しぶりに姉らしくできたと思う。双子といえど、姉には変わらない...はず。

𝐍𝐞𝐱𝐭⚡