7 視線が痛い ページ7
私たちはハンター試験を受けるべく、キルアが色んな人から情報を得て(ほぼ力ずくで)やっと試験会場らしき場所に辿り着いた。
「おじさん、目からウロコが落ちるようなステーキ定食、二人前。」
「！ 二人前...焼き方は。」
『弱火でじっくりコトコト飽きるまで！』
「はいよ、奥の部屋どうぞ。」
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案内された部屋には、赤い丸テーブルと椅子が三脚置いてあった。それ以外は何も無い。
本当にここで合っているのか心配になりながら椅子に座ると、床がゆっくりと下へ動き出した。
『あぁ、なるほど。エレベーター式なのね。』
「おもしれー。どこまで降りるんだろうな？」
『さあ？そうだキルア、ずっと聞きたかったんだけどね......ハンター試験って何？』
「は...？？お前、知らないでついてきたの？」
目が点になって驚くキルアに、私まで目が点になりかける。
『うん。だって、ついて行く以外の選択肢無かったもん。』
「確かにそうだけど...もっと早く聞けよ！知ってるもんだと思ってたじゃんか！最悪死ぬんだからな、ハンター試験で。」
『えっ...まあ、ここまで来たからには試験受けますけど...。とりあえず、教えて！』
出来損ないとはいえ、一応ゾルディック家で教育を受けてきている私は、命の危険があることなんてほとんど気にせず、キルアにハンター試験の説明を促す。
「はいはい。まず、ハンターってのはな.........」
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ハンターやハンター試験についての説明が終わる頃、ちょうどチーンという音がし、出口らしき扉の上に"B100"と表示される。
「お、着いたみたいだな。行くぞ。」
『地下100階...』
見たことの無い数字に驚く私を他所に、キルアは開いた扉の先へと進んで行く。慌てて追いかけると、そこには薄暗い空間が広がっていた。
雰囲気がさっきまでと全く違う。互いに警戒し合っていて、ピリピリしている。
そして私たちも今、彼らの警戒の対象に入った。
「ちぇっ、子供だからって油断しねーのな。」
『ねぇキル...すごい見られてる気がするんだけど...』
「気にすんな。」
無理です。視線が痛すぎる。
私はキルアの後ろに隠れるようにほんの少し、移動したのであった。
𝐍𝐞𝐱𝐭⚡
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作者名：桜ゆま | 作成日時：2023年8月1日 12時
