出来損ないの少女【H×H】 (ページ2)

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初めての仕事は、キルアとイルミ兄さんとの共同任務だった。それぞれのターゲットを尾行し、1人になったところを...そんないたって普通な作戦で行われた。

相手はどう見ても自分より格下。「こんなの余裕じゃん」なんて思いながら近づき、心臓に手を伸ばす───が、その手はターゲットに触れる直前で止まった。

『(っ...なんで...！？)』

ちゃんと知ってるのに。ターゲットにバレずに近づく方法も、心臓の綺麗な抜き取り方も、暗殺術は全部頭に入っている。野生動物相手では上手く出来たのに...暗殺の才能があるって...期待してるって言われたのに...！

『(どうして...体が動かないの...？)』

焦りとプレッシャーからだろうか。いつの間にか体が震えだし、気配が消しきれなくなっていた。

「ん...？嬢ちゃんいつの間n」

私の気配に気づき振り向いたターゲットを、自分の仕事を終わらせ、私の様子を見に来たキルアが殺した。

「A！なんで動かなかったんだよ！危ないだろ！気配も消せてなかったし...」

『え？あ...ごめん...』

「どうしたの？」

『！イルミ兄さん...ごめんなさいっ...私...私っ、失敗しちゃって......ごめんなさい...』

「大丈夫だよ、A。初めてで緊張していただけだよ。双子のキルが出来たんだ。お前にも出来るに決まってる。」

『緊張してただけ...？』

「そう。お前ら双子は父さんの血が濃いからね。次はきっと、成功するさ。」

『...うん。』

"次はきっと成功する"

イルミ兄さんの言葉を信じ、何度も仕事を受けるがやっぱりダメで、全員キルアに殺させてしまった。

『キルア...ごめんね。私全然出来なくて...』

「気にすんなよ。オレらのターゲットはみーんな弱いから一瞬で終わるしな。」

何回も仕事を失敗するうちにやっとわかった。

人を殺せないのは緊張じゃなくて覚悟が足りないから。暗殺者として──人殺しとして生きていく覚悟が。

私は、家族の期待に応えられないのだ。

𝐍𝐞𝐱𝐭⚡