28・カズナリside ページ28
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俺達に。自分だけの部屋、はない。
俺達にあるのは、俺と小百合の部屋。だけ。
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同じ寝室で、同じベッドで、同じ布団の中で。
いつも俺達は眠りに就く。
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離れて眠ろうなんて、思う暇さえなかった。
それぞれの部屋を作ろうなんて、思った事もなかった。
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だって、当たり前だよな。
俺達はずっとそれを願ってきて、この場所に逃げて来たんだから。
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ずっと、2人でいたいと願い続けて。
ずっと、2人きりで笑いあっていたいと切望して。
この場所に、息を潜めてきたんだから。
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・・静寂にスプリングの軋む音を立てて、ベッドの端に腰掛ける。
片脚をベッドに乗せて片手を突き、身体を捻る様にして小百合の寝顔を覗き込んだ。
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和也「・・・ただいま・・小百合」
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柔らかい小百合の髪を撫でて、透き通る様な寝顔に
月夜の静寂へ消えゆく様な声でそっと、囁く。
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小百合は、綺麗だ。
小百合に面と向かって言った事は、ないけれど。
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俺と違って昔から外で遊ぶのが好きだった小百合が、太陽の陽に照らされて
汗をかきながら、弾ける様な笑顔を俺に向けてくれる時も。
こんな、例えば今日の様な夜みたいに。普段は感情豊かに動く瞳を
白い瞼で、長く黒い睫毛ですうっと覆い隠して、
この暑苦しい夜長に、涼しげな顔をして眠っている時も。
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いつも、俺は小百合に見蕩れていて。
小学時代、放課後毎日公園で遊んでいた時も。
高校時代、毎日どっちがアイスを奢るかジャンケンしてた時も。
この目の前にある、俺だけに向けられた笑顔を
何時何処で他の男が横取りしてくるか心配で堪らなかっただなんて
今も俺の傍にいる小百合に言ったら、俺を真似た様な顔で馬鹿にして笑うんだろうな。
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・・ぐっすり眠った小百合の紅がかった頬を撫でて、
月夜に白く浮かぶ小百合の寝顔にそっと覆い被さり
起こさないよう、口付けをする。
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唇に触れる、何度も感じた愛しい感触から
・
・・・・愛してる。
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明日の朝も、明後日も。
来年もきっと馬鹿みたいに思う、そんな陳腐な言葉でしか表せない切実な想いを
あぁ、今宵も胸が軋む程感じる自分に、苦笑した。
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サクシャ(プロフ) - K_Zさん» 書いてましたねぇ・・(他人事)二宮ショック、最近他にも色々ニュースがあるから世間が忘れてくのが怖くて仕方がないけれど、何だろう。実生活が慌ただしいとショックも薄れてしまうものですね。笑 (2016年8月18日 1時) (
レス) id: fbf8980613 (このIDを非表示/違反報告)
K_Z(プロフ) - ん〜。こんなお話も書いてたんですねぇ。記憶を辿り読ませて頂きました☆そーすっね。二宮ショック…モヤモヤ、ヤキモキ。です。美しい二宮さん、いいっす。 (2016年8月10日 0時) (レス) id: cf7962d647 (このIDを非表示/違反報告)
サクシャ(プロフ) - ぱるるんさん» 読んで下さりあざっす！コメント嬉しいっす！ああ、そう。結局言いたいことはまだ謎なんですよね。伝わっててよかったっす。こ、更新ね！うん！が、頑張ります！よ！う、うん！(意思弱い) (2015年4月16日 1時) (レス) id: fbf8980613 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるるん(プロフ) - 最後になりましたが、更新頑張ってください！応援してます！続けてコメントをしてしまい、申し訳ありませんでした(T ^ T) ！ (2015年4月12日 3時) (レス) id: 880fa70738 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるるん(プロフ) - ネタバレみたいになりすごく申し訳ないのですが、勝手ながら感想を言いたくてコメントをしたのですが、主人公ちゃんは何があって二宮くんを取材してるのか？！小百合とはどういう関係なのかっ？！そして二宮くんと櫻井くんになにがあったのかドキドキです！！ (2015年4月12日 3時) (レス) id: 880fa70738 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクシャ
作成日時：2015年4月2日 18時
