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和也「前にさ」
・・彼が私を振り返らずに
私の手を掴む反対の手をズボンのポケットに入れたまま、淡々と、口を開いた。
・
和也「神崎さん、聞いたよね」
・
和也「小百合ってどんな奴、って
俺に聞いたよね」
チン。軽快なベルの音と共に、目の前のエレベータの扉が開く。
・
乗り込んだエレベータの扉に反射して映る二宮さんの瞳は
綺麗な色が幾重にも塗り重なって出来た、宇宙のよう。
・
和也「小百合は俺の、恋人だよ」
・
和也「・・・俺の、好きな人」
それはきっと、私を映すことはない、宇宙。
・
・・チン。さっきと同じ音と共に
扉が開いて、二宮さんは勝手知ったように広いエントランスを颯爽と歩く。
A「・・・・それ、って・・」
和也「誰が何と言おうとね」
・
和也「アイツは、俺の女で」
・
和也「俺が愛してるってクソ真面目に言えるのは、愛してるなんて
陳腐な言葉を信じさせてくれるのは」
小百合しかいなくて。そう、真っ直ぐに言う二宮さんを見る私が
今感じているのが絶望だとしたら。
私はきっと少しでも、二宮さんの瞳に映れると思っていた。馬鹿な、女。
・
和也「・・・目を覚ませだとか、俺が好きだとか
そういうこと俺に言いたいが為に俺の傍にいるんなら
もう、やめて」
・
和也「申し訳ないけど、どうしたって俺の気持ちは変わんねぇし。・・だから」
・
和也「神崎さんには、何も知らないままでいて欲しい」
・・エントランスを抜けると、生温い風が私を包む。
外を出ても握られたままの手は温かくて、けれど、あぁ。
この手に力が篭もることは、きっと無い。
・
・・二宮さんの車に乗せられ、煙草と二宮さんの香りに包まれながら
二宮さんの白い横顔を、見た。
・
・・・その、綺麗な瞳。
その目に映る闇を、知りたかった。
二宮さんの過去を、知りたかった。
けれどその瞳は確かに、私が近づくのを拒んでいて。
気づいていた。
気づいていたけれど、見ないようにしてた。見ないようにできるこの脳はホント、都合がいい。
・
そんな事、始めからわかっていたのに。
見えていなかった。見えないようにしてた。
何かを知っても、二宮さんの闇を見ても。
この目の前の白い頬は私には微笑まないこと。わかっていたのに。
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サクシャ(プロフ) - K_Zさん» 書いてましたねぇ・・(他人事)二宮ショック、最近他にも色々ニュースがあるから世間が忘れてくのが怖くて仕方がないけれど、何だろう。実生活が慌ただしいとショックも薄れてしまうものですね。笑 (2016年8月18日 1時) (
レス) id: fbf8980613 (このIDを非表示/違反報告)
K_Z(プロフ) - ん〜。こんなお話も書いてたんですねぇ。記憶を辿り読ませて頂きました☆そーすっね。二宮ショック…モヤモヤ、ヤキモキ。です。美しい二宮さん、いいっす。 (2016年8月10日 0時) (レス) id: cf7962d647 (このIDを非表示/違反報告)
サクシャ(プロフ) - ぱるるんさん» 読んで下さりあざっす！コメント嬉しいっす！ああ、そう。結局言いたいことはまだ謎なんですよね。伝わっててよかったっす。こ、更新ね！うん！が、頑張ります！よ！う、うん！(意思弱い) (2015年4月16日 1時) (レス) id: fbf8980613 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるるん(プロフ) - 最後になりましたが、更新頑張ってください！応援してます！続けてコメントをしてしまい、申し訳ありませんでした(T ^ T) ！ (2015年4月12日 3時) (レス) id: 880fa70738 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるるん(プロフ) - ネタバレみたいになりすごく申し訳ないのですが、勝手ながら感想を言いたくてコメントをしたのですが、主人公ちゃんは何があって二宮くんを取材してるのか？！小百合とはどういう関係なのかっ？！そして二宮くんと櫻井くんになにがあったのかドキドキです！！ (2015年4月12日 3時) (レス) id: 880fa70738 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクシャ
作成日時：2015年4月2日 18時
