I'll kiss you

Last kiss ページ38

真っ白な部屋の中。


「俺のこと好き？」


私を色っぽい目でみつめながら近づく手越くん。


「なぁ……俺だろ？」


その声に振り返ると、私にゆっくり腕を伸ばすシゲ。


その腕に捕まる前に今度は違うところから声が聞こえる。


「俺でしょ？…A」


柔らかく微笑んで、私の名前を呼ぶのは増田くん。


「他のヤツのとこになんて行かないで」


振り返れば、切ない瞳を私に向ける慶ちゃん。


4人から、名前を呼ばれる。


誰かに腕を掴まれて、抱き寄せられたところで……


…目が覚めた。


枕元の携帯が、カチカチと点滅する。


慌てて確認すると、着信が1件。


電話をかける。


『もしもし…』


少し不機嫌そうな声が電話の奥でする。


「ごめん。今起きた…」


急いで電話を切ると、5分で準備を済ませて外に出る。


マンションの地下駐車場にとまっている、車に近づくとゆっくり窓が開く。


マスクにサングラス。変装はばっちりなのに、流石はアイドルというかなんというか……。


全然オーラが隠せてない。


…まぁ、夜だから関係ないか。


車に乗り込むと、彼の匂いに包まれる。


「あのね、今日すっごい夢見たの」


そうきりだして、さっきの夢の話をすると彼は笑いだす。


「…でもさ。Aは、俺のもんでしょ？」


信号が赤に変わってゆっくり車がとまると、私の方を向いて微笑む。


こくりと首を縦に振った私をみてまた微笑むと、顔を近づけてキスをひとつ。


離れて目が合うと、2人で笑い合う。


―あなたは

誰と 甘いkissを？―


―THE END―

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