I'll kiss you

3 ページ32

すると、今まで音も色も無かったはずの映像が鮮やかな色と切ないメロディとセリフと一緒に頭の中に一気に流れこむ。


勢いよく起き上がると、時計は夜の11時過ぎを指していて、慌ててAに電話をかける。


『もしもし？』


「A。今から行くからちょっと待ってて」


それだけ言って電話を切ると急いで車に乗り込んで、タイヤを滑らせる。


君のところまで、大体10分。


でも、その10分がとてつもなく長く感じて。


早く…早くAに伝えたい。伝えなきゃ。


Aのマンションの近くで、車を止めて走る。


夏の夜の風を正面に受けながら走る。


「祐也くん」


Aの顔を見た瞬間色々な思いが溢れて止まらなくなって、何もいわず抱きしめる。


俺がずっと探し続けた相手は、Aだったんだよね。


「A…好き」


それだけ言う。するとAは、少し驚いた顔をしていつもの笑顔で笑って頷く。


軽く顔を傾けて唇を重ねる。


「A聞いて？今から君に贈るのは100年越しのラブソングだから」


そう呟いて、小さく息を吸って歌い出す。


目の前のAは、静かに涙を流す。


「……この歌…」


やっぱりAがあの人だったんだ。


手を握って、Aに笑いかける。


「もう、離さないから」


そう言ってまたキスを落とす。


きっと俺達なら大丈夫。


なんてってたって100年もの大恋愛だもんね。


――――――Fin
ノエルパーナ様リクエスト

fantastic rhapsodyのその後のお話でした。

イメージ通りでなかったらすみません(。＞ ＜)

100年後に出会うなんて…運命って凄い！笑←

こんなことあればなー…というサクラの願いがたくさん込められたお話でした笑

sanctuary→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す