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「あの…」
見知らぬ女性が一人、扉の前に立ち明らかに暗い雰囲気の彼女にA達は一瞬にして静まり返る。
もしかしたら病室を間違えたのかもしれない。
そう思い、Aが口を開いた時だった。
「え…場地さんのお母さん？！」
最初に口を開いたのは千冬だった。
その言葉に、マイキー達もそういえば…！と口々にする。
場地の母親はその場を一向に動こうとせず申し訳なさそうにただ俯くだけ。
痺れを切らした千冬が近づき、顔を覗き込んだ瞬間。
「？！」
「私のーー…馬鹿息子がAさんに大きな怪我をさせてしまい、申し訳ありません…っ」
その場にしゃがみ込み、いきなりの謝罪の言葉。
何が何だかわからないその異様な光景に息を呑む。
その身体は小さく震え、何処か追い込まれた状況にいち早く察知したAはキュッと布団を握りしめた。
「…お顔を上げてくださいませ。」
「〜〜〜っ、ごめんなさい…っ、本当に…取り返しのつかないことを…っ！」
聞く耳を持たない母親に痺れを切らしたAはベッドから降りようとする。
怪我が完治していない状況で動くのは難しく、痛みに耐えながら歩こうとするAを三ツ谷が慌てて制した。
「A！傷が開いたら大変だから！まだ動くな！」
「ーーーっ、けど…っ！」
「ば、場地さん！！とりあえず、顔上げて！ほら、Aさんが無理矢理動こうとしてるんで、とりあえず、立ちましょう？！」
肩を掴み、必死に説得する千冬。
その姿にマイキーも動き半ば無理矢理立たせ、ベッド脇の椅子に連れて行く。
その光景にAもまた落ち着き、ふらつくも三ツ谷が支え近くの椅子に座った。
「…あの、場地くんのお母様…？」
「ーーっ、は、い…場地圭介の母親です…っ」
「…少し、外の空気を吸いに行きませんか？」
「えっ…？！」
「おいっ！まだ歩くのは…っ！」
「大丈夫です。ーー…三ツ谷くん、ちょっとだけ手を貸してもらってもいいかな？」
「？あ、あぁ。」
手を取れば、近くに備えてある車椅子に腰を降ろしマイキーに声をかけた。
「…マイキーくん、ちょっとだけ付き合ってくれる？」
「ーーー…おぉ。わかった。ケンチン達はここにいて。Aと母ちゃん連れてってくる」
「あ、あぁ…」
「千冬、お前も来い。ーー場地の母ちゃん支えてやれ」
「あ…、は、はいっ！」
それから、マイキーがAを押し、千冬が場地の母親を支え四人は外へと足を運んだ。
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咲乃(プロフ) - ひー(比古)さん» ありがとうございます！続編は甘々頑張ろうと思ってます。どうぞ完結までお付き合いください…。 (2021年10月5日 22時) (
レス) id: 78de730839 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(比古)(プロフ) - タカちゃんの意地悪なスイッチがぁぁぁ！！ニヤニヤ過ぎる (2021年10月5日 0時) (レス) @page49 id: f1c378431b (このIDを非表示/違反報告)
咲乃(プロフ) - 累さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。更新頑張ります。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 78de730839 (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品一気に読ませて頂きました。設定も面白いですし、話の内容もシリアスから胸キュンまであってとても面白いです。頑張ってください。 (2021年8月22日 13時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
咲乃(プロフ) - 真菜瀬さん» ありがとうございます！更新頑張ります。 (2021年8月17日 19時) (レス) id: 78de730839 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲乃 | 作成日時：2021年8月17日 0時
