受付嬢の私とエリートの彼 (ページ47)

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ロビーのソファーに座る佐久間さんを見つけた時、意外にも自分の心は冷静だった

だから彼の決まりの悪そうな顔も

”ごめん”という謝罪も

笑顔で流していた

映画祭の運営にまで関わりはしないため、ただ見学をするという感じで仕事は17時に終わった

佐久間さんと二人でホテルまで徒歩で帰る

明日は東京に帰るだけの予定。

泊まらずに新幹線で先に帰ろうかななんて思っていた時

佐久間「A、飯行かない？」

って誘われる

『えっと...』

快くOKできる気分では到底ない

そんな私の心情を読んだのか

佐久間「話したいことがあるんだ」

って言う彼。

『私、佐久間さんが理解できないです...。

彼女いるのに思わせぶりな態度をとってきたり、

キスをしたり、、、でもそのことで謝ったりして...』

『私は佐久間さんにとって何なんですか？』

声は震えていたと思う。

現に唇の震えを抑えるように私は強く唇を噛み締めている

佐久間さんは何も言わずにただ視線を逸らした

どうして、佐久間さんがそんなに苦しい表情をするの？

『っ..私、東京戻ります』

佐久間さんを置いて歩き出そうとした時に腕を掴まれた

それと同時に”A！”って少しばかり大きな声で名前を呼ばれて、

それに反論するように私の口から出た言葉はそれよりも大きかった

『好きなんですっ...！』