受付嬢の私とエリートの彼 (ページ45)

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先にしびれを切らしたのは

佐久間さんの方だった

首の後ろに手を添えられてそのまま引き寄せられると唇が重なった

次第に深くなる口付けにどちらのものか分からない吐息がこぼれる

『っはぁ...んっ...』

キスをしたまま押し倒され、首の方に佐久間さんの唇が這う

時々感じる舌の感触が擽ったくて身を捩ってしまう

無意識に佐久間さんの髪の毛を掴んでいたみたいで、佐久間さんが顔を上げた

目が合って、再び唇が重なろうとした瞬間

♪ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

2人の動きが一時停止した

佐久間「...っ、ごめん」

佐久間さんは私の上から退いてスマホを手に取った

佐久間「もしもし.....うん......明後日には帰るから.....うん.....おやすみ」

そうだ、佐久間さんには彼女がいるんだ....

なのに、私ったら何を勘違いして.....

涙が溢れそうになるのを堪えながら上体を起こして

『私、お風呂入ってきますね...！佐久間さん、酔いすぎなのでちゃんと水飲んでくださいね』

涙を誤魔化すように笑って早々に部屋を出る

部屋を出る前に”Aっ！”って呼び止める声には聞こえないふりをした

『うっ、、、、なんで、、、』

ドアに背中を預けたまま声を押し殺して泣いた