受付嬢の私とエリートの彼 (ページ28)

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佐久間side

「....さーん、お客さーん。着きましたよ。」

誰かに呼びかけられて目を覚ますと見知らぬおじさんが運転席からこっちを覗いていた

あー、また酔って寝ちゃったのか...。

佐久間「すみません。これでお願いします。お釣りは大丈夫です。」

タクシーを降りると冷たい夜風が吹いてきて

ボーっとする頭が冴えていく

佐久間「はぁ....」

マンションのエントランスに入る前に自然とため息がこぼれる

俺には付き合って2年になる彼女がいる。

そして一緒に暮らしている。

彼女が待つ家に帰るなんて一見幸せなことのように周りは思うかもしれない。

だけど、俺は違う。

なるべく音を立てないようにガチャリと玄関の鍵を回して開けると、リビングの明かりが点いているのが目に入る

これから起きることが予想できてまた一つため息がこぼれる

佐久間「ただいま」

ソファーで体育座りをしてる彼女の背中に声をかけてからキッチンに向かう

冷蔵庫から水を一本取り出すと背中に温もりを感じた

「ねぇ、こんな時間までどこ行ってたの。誰といたの？

私何回も連絡したよ。

女の人？私さっくんがいなくてすごく寂しかったんだよ。」

お腹に回された彼女の手を解いて彼女と向き合う形になる

佐久間「ごめんね。ふっか達と飲んでたらまた飲みすぎちゃって、連絡できなかった。女の人なんていないよ？」

「さっくん、、、私のこと好き？」

彼女が首に手を回してくる

このセリフと仕草は、彼女が俺を求める時の合図になっている

佐久間「...好きだよ」

決まって俺がこう返せばどちらからともなく唇が重なり合う

ベッドの上で愛のない行為をして、彼女の寂しさを埋める