第6話 黒い骨の怪物 ページ8
「･･･先程の反応･･･Aさんは、"ウィザー"についてご存じだったのですか？」
蝶滑が訊ねると、Aはうつむいてしまう。
「！す、すみませんっ。お気に障るような事を･･･！？」
「･･･いえ･･･私の方こそ、黙っていて、すみません･･･。」
慌てて謝る蝶滑に、Aはうつむいたまま謝り返す。
「･･･黙っていましたが、私はある人を探すと同時に･･･
"ウィザー"についての情報を集めているんです。」
「"ウィザー"は伝承に出て来る程、古い存在です。
･･･探している方と、何か関係が･･･？」
「･･･そこまでは、お話できません･･･。
案内してくださった蝶滑さんを、巻き込みたくないので･･･。」
Aが申し訳なさそうに言い、蝶滑は少し難しい顔をする。
「･･･理由は分かりませんが、貴女が本気であることは分かりました。
この街にはどの位滞在する予定で？」
「え？えっと･･･早ければ、１週間後です･･･。」
「では、出来る範囲でお手伝いさせてください。」
「えっ･･･！？」
Aは目を丸くして、蝶滑を見る。
「そ、そんなっ･･･。蝶滑さん、お仕事があるのでは･･･。」
「私の方は心配要りません。仕事は一段落しているので。
それに、伝承に出て来るような生物の話です。
個人的にも気になるので、是非ご一緒させてください。」
「･･･で、ですが･･･。」
「伝承と言えば･･･知識豊富な方がいますね。」
「お待たせしました〜。雪だるまミルクプリンでーす。」
「へ･･･？」
花宮がAに持って来たのは、小さなミルクプリンを二つ並べたデザートだった。
「こ、これは･･･？」
「なんだか元気がなさそうだったから。
疲れた時には、甘いものってよく言いますからね〜。」
語尾に音符マークが付きそうな言い方で、花宮はAにそう言った。
「花宮さん。把雪さんは今お忙しいですか？」
「ばす･･･把雪さん？忙しくないわよ？」
「では、呼んでいただいても？少し知識が必要で。」
「はーい。呼んできますね〜。」
花宮はそう言って、ルンルンと把雪を呼びに行った。
「･･･あの･･･。」
「ああ、把雪さんはとても知識が豊富なんです。
彼から聞ける話もあると思います。」
「えと･･･デザート、私だけ食べる訳には･･･。」
「いえ、花宮さんが折角貴女の為にくださったんです。
Aさんが召し上がってください。」
「･･･いただきます･･･。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
