第5話 喫茶店にて ページ7
役所を出た蝶滑とAは、店が並ぶ中央の通りを歩いて行く。
蝶滑が先に行き、着いたのは落ち着いた雰囲気の小さな喫茶店だった。
カラン コロン
「はーい、いらっしゃいませ〜。」
「空いてるお席へ−･･･って、蝶滑さんじゃないですか。」
出迎えたのは、茶髪の女性だった。
厨房にも男の人がいて、蝶滑を見ると嬉しそうに笑った。
「どうも、花宮さん、把雪さん。」
蝶滑は二人に挨拶をして、空いている席に座った。
「蝶滑さん、お知り合い？」
「いえ、初めてこの街へ来た方です。」
「あら、そうなの？ようこそマイクラ街へ。」
「あ、ありがとうございます。」
女の人･･･花宮が水を二人分置きながら、Aに柔らかい笑顔で挨拶をする。
Aはお礼を言ってから、冷たい水を一口飲んだ。
「Aさん、珈琲か紅茶か、どちらにしますか？」
「こ、珈琲で･･･。」
「分かりました。
花宮さん、アイスコーヒーを二つお願いします。」
「はーい、かしこまりました〜。」
花宮は穏やかに返事をしてから、厨房へと向かった。
「･･･さて、飲み物が来るまで少し訊ねても？」
「･･･ええ･･･。」
蝶滑は真剣な表情で、Aに訊ねる。
「まず、先程の話です。
貴女はその生物については、神話生物か妖怪の類と考えているんですね？」
「ええ･･･。聴いた話では、昔話として伝承されていると･･･。」
「それは何処辺りで聴いたかは覚えていますか？」
「それが･･･訪れた所が多くて、覚えていなくて･･･。」
「なるほど･･･。気にしなくても大丈夫です。
特徴を聞くと、私も知っているモノのようです。」
「！本当ですか？」
先程までの青ざめたような顔から、少し表情が明るくなるA。
「ええ。幾つか資料を見た時に、同じ様な生物について想像の絵を見たことがあります。」
「な、名前は･･･名前は、分かりますか･･･？」
「･･･恐らく、大災害を引き起こした"ウィザー"と呼ばれる生物でしょう。」
蝶滑の答えに、Aは目を大きく見開く。
「お話中にごめんなさいね〜。飲み物です。」
花宮がのほほんとしながら、蝶滑とAの前にアイスコーヒーを置いた。
「あ、ありがとうございます。」
「いいえ〜。･･･あら大丈夫？少し顔色が悪いけど･･･。」
花宮がAの顔を見て、心配そうに声をかける。
「だ、大丈夫です･･･。」
「そう？･･･そうだっ。」
花宮は何かを思いつき、また厨房へと行ってしまった。
蝶滑とAの話は始まったばかり。
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
