第３話 苦労人の情報管理人 ページ5
「それで、何やっけ？本見たいんやっけ？」
「うん。私名義でいいかな？彼女、初めてこの街に来たみたいだから。」
蝶滑が訊ねると、知快は少し気難しそうな顔をした。
「俺新人やし、簡単にはOK出せへんな・・・。
おーいっ、太山さーん。」
「はいはい、何や？知快。」
知快が奥の方に声をかけると、奥から赤眼鏡の男が歩いてきた。
「蝶滑さんがな、この人の代わりに資料閲覧の許可を貰いたいんやて。」
「蝶滑さんが代わりに？」
赤眼鏡の男は知快から蝶滑の方を見て、蝶滑の隣に知らない女(A)がいるのに気づく。
「・・・あー・・・すんません、そちらの方。
その男を利用するのはやめていただいてもー・・・。」
「ちゃうわ！！初めて来たから許可貰ったことないんやっ！！」
赤眼鏡の男がやんわりとAに話しかけるので、蝶滑は突っ込みを入れる。
「え？蝶滑さんがダメな人に引っかかってるんとちゃうの？」
「ちゃうちゃうっ。丁度Aさんが迷ってはったから、俺が案内してん。」
「はえー・・・。これは失礼しました。
何分、悪い人に利用されること多いんですよこの人。」
「い、いえ・・・。」
赤眼鏡の男は申し訳なさそうに、Aに謝った。
Aは小さく首を横に振って、赤眼鏡の男を改めて見る。
赤眼鏡の男は少し眠そうな顔をしていて、目の下にはうっすらと隈が出来ていた。
「この人は俺の上司の一人、太山権郎さん！
もう一人の頼りない上司よりしっかりしてる人なんすよ〜！」
「うん・・・。あ、アイツ連れ戻さな。」
「またいなくなってるんすか？あの人。」
「そうやねん。用事終わってからでもええから、蝶滑さん見てくれへん？」
「はい、分かりました。」
「・・・あの・・・お話に出ている方、すぐに探さなくてもいいんですか？」
急ぐ様子のない三人に、Aは訊ねる。
「ああ、いいんすよ。いつものことなんで。
資料見たいんですよね？一応お名前だけ聴いてもいいですか？」
「は、はい。Aと言います。脱出の脱に、上下の下です。」
「Aさん、ね。とりあえず蝶滑さん名義で許可出しときますわ。」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます、太山さん。」
赤眼鏡の男･･･太山は何か書類を書いて、知快に渡しながらそう言った。
Aと蝶滑はお礼を言って、隣にある資料スペースへ向かう。
「・・・で、あの人何処行ったんです？」
「さぁね。Aさん捕まらなくて良かったわ。」
「ですね〜。」
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
