第36話 ウィザーの情報を求めて ページ38
「お、来たか。」
「Aさんの採血終わりました。」
役所について受付の奥へ入ると、沢山の本棚がある部屋があった。
その中央辺りに大きい机と何個が椅子があり、その傍に太山が立っていた。
「ほら、大先生。Aさん来たで。」
「いつ･･･したちゃん･･･。」
「う、浮下さん･･･大丈夫･･･ではないですね･･･。」
机に山積みにされた紙束や本に隠れていた浮下は、死んだ様な目をして机に突っ伏していた。
「･･･ってロボロてめぇ！なぁにAちゃんと手ぇ繋いでんだゴラァ！！」
天音が支える為にAと手を繋いでいるのを見た浮下が、急に元気になって立ち上がり天音に怒鳴る。
「て、手ぇ繋がんとAさんが倒れてしまうから繋いでたんやっ！
やましい事なんて何もないわ！！」
「自分から言ってんだからやましい考え持ってんだろうが童貞め！！」
「落ち着け。」
スコーンッ
「アフンッ！」
太山が持っていた一冊の本で、浮下の頭を叩いて黙らせる。
「すんません。女性に変な言葉聞かせて。」
「い、いえ･･･それより、浮下さんは大丈夫なんですか･･･？」
「あ、大丈夫っす。扱いいつも通りなんで。」
淡々と言う太山に、Aは浮下を心配しながらも気にしない事にした。
「今は何を調べてるんですか？」
蝶滑は机に置かれた資料を幾つか手に取りながら、太山に訊ねる。
「とりあえず、組織を特定しようと思てな。
過去に取引やら依頼をして来た組織の資料を漁ってみとる。」
「多いなぁ･･･。あ、此処のとこ。提供した武器の金ちゃんと払わんくて潰したとこやん。」
「ああ･･･コネシマさんとシャオロンさんが暴れ散らした･･･。」
天音と蝶滑は資料の束の一つを見ながら、何かを思い出して呟く。
Aはとりあえず、浮下の隣の席に座った。
「あ･･･Aちゃんはコレ見て。」
「？コレは･･･？」
撃沈していた浮下は顔を上げて、Aに手書きの文字が書かれている紙を渡された。
「短時間だけど、怪物について何かやってた組織の名前書き出したんや。
それ見て、引っかかった名前に丸でも印付けといてくれへん？」
「1時間程しか経っていないのに、ここまで･･･？」
Aが見ている紙には、20個程名前が書かれている。
「大先生なぁ。集中すれば早いんやけどな。」
浮下の手伝いをする太山が、資料を見ながら独り言を呟く。
「Aちゃん、頑張ったらご褒美ちょーだい？」
「？ご褒美･･･？」
「口づ」
「集中せいコラ。」
「ひぃんっ！！」
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
