第34話 傷と痣 ページ36
「ありがとう、Aちゃん。手当てするには、完璧にするから。」
Aは頷き、神さまはそっとAの手を放した。
「やるなら全部やりたいんだけど･･･嫌なら、出来る範囲でやるよ。」
「･･･全部、お願いしてもいいですか･･･？」
「うん、任せて。」
神さまの返事を聞いてから、神さまに連れられてAは隣の診察室へと移動した。
「コートを脱いでね。俺は薬持って来るから。」
「はい･･･。」
神さまが薬品を取りに行っている間に、Aは少し怯えながらコートを脱ぎ始めた。
「お待た･･･せ･･･。」
「あ、神さま･･･。」
薬品を取りに行った神さまは、Aの姿を見て動きが止まる。
コートを脱いだAは、少々露出が高かった。
上は胸にサラシを巻いているのみで、他には何も着ていなかった様だ。
下はくたびれていて膝上までの丈での茶色い短パンを履いていて、茶色のブーツを履いているだけであった。
「･･･。」
「？神さま･･･？」
「Aちゃん･･･夏も冬も、その格好でコート着て旅してたの？」
「？はい･･･夏とかは、暑くて大変でしたが･･･この傷だらけの身体を、見せたくなくて･･･。」
「そっか･･･。(この場にあの二人がいなくて良かった。あの二人には刺激が強すぎる)」
受付の方で待っている蝶滑と天音の事を考えて無言の神さまを、Aは不思議そうに見ている。
「じゃあ、手当てするね。･･･手首の包帯も、外していい？」
「･･･はい･･･。」
神さまに言われて、Aは自分で両手首の包帯を外した。
「さて･･･。」
着けていた包帯も捨て、神さまはAの傷や痣の状態を診始めた。
腕だけだと思われた傷や痣は、全身に数えられない程あった。
包帯で隠れていた両手首には、濃い痣が手首を一周するようについていた。
「･･･脚は？ブーツで見えない所もない？」
「･･･足首にも、包帯を巻いてます。」
「じゃあ脚も手当てしようね。ブーツ脱がせるよ。」
Aが頷き、神さまは優しくAのブーツを脱がした。
足首にも包帯が巻いてあり、神さまは足の包帯も外した。
「じゃあ、手当てしていくね。痛かったら言ってね。」
「はい・・。」
10分程経ち、やっと手当てが終わった。
「後は治るまで薬を塗り続けて、包帯も出来るだけ変えようね。」
神さまはそう言って、使っていた薬等を片付ける。
「ありがとうございます。」
Aは手首と足首の包帯を巻き直して貰い、塗り薬も塗って貰ってから、コートを着た。
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
