第32話 採血 ページ34
「ヒェ・・・。」
太山に冷たい目を向けられて、浮下は何も言えなくなって縮こまる。
「大先生に資料覚えさすかぁ。まとめるまでもやれよ。」
「嘘ぉ一人で!?」
「おん。」
「か、勘弁!寝れへん!!」
「日頃の行いやろ。」
「トンち〜・・・!!」
太山にキッパリと言われて、浮下は太山に泣きつく。
「・・・あ、あの・・・浮下さん、だけにお任せするのは申し訳ないです。
私もお手伝いさせてくださいっ。」
「!い、Aちゃあん・・・!!」
Aの言葉に、浮下は表情が明るくなる。
「Aさん、コイツを甘やかさんでください。
コイツ昨日何してたって、街に来た女の人ナンパしてただけですからね?」
「そ、そうかも知れませんが、少ない条件では調べる量が多いと思いますし・・・。
私が手伝う事で、何か思い出せるかも知れません。」
「うーん・・・。まぁ、Aさんがいいって言うなら・・・。」
太山が了承し、浮下は一人で両方の拳を上げて喜んでいる。
Aはそれを見て、苦笑いをしている。
「では、此方が主体となって組織について調べよう。
他はそれぞれ、情報収集を頼みたい。」
「「「了解/はーい !!」」」
「それでは今日は解散しよう。」
帝独の言葉で、街の住民はそれぞれ公園を離れていった。
「さて・・・早速調べに入るか?」
「あ、それよりも採血させて〜。」
Aの所に、神さまが来てそう言う。
「あ、そう言えば・・・。」
神さまに言われて、Aは思い出す。
「じゃあ病院だな。鬱は先に役所行くぞ。」
「はーい・・・。」
「あ、あの。私も採血について行っても?」
「エミさん来る?いいよ。」
その後も少し話し、神さま・蝶滑・Aの他に、天音も一緒に病院に行く事になった。
○●○●○
「じゃあ此処に座って。ロボロもする〜?」
「せんわ!Aさんが心配なだけやわ!」
採血の準備をする神さまに迫られ、天音はツッコミをして拒否する。
Aはその様子を見ながら、採血用の椅子に座って、右の服の裾を肘まで捲り上げる。
「じゃあリラックスしてね。
エミさんとロボロは受付の方の椅子に座って待ってて。」
「分かりました。」
「行こか、エミさん。」
神さまに言われて、蝶滑と天音は採血室から出た。
「さ、始めようか。力抜いてね。」
「は、はい。」
神さまが肘クッションを置き、Aはその上に右肘を置く。
「すぐに終わるから我慢してね。」
「は、はい。」
少し緊張しているAを見て、神さまは微笑みながら採血を始めた。
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・!これから注意しながら更新していきます!! (2021年9月9日 20時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年9月9日 17時