第28話 脱下の戦闘力 ページ30
「(全然攻撃して来ない･･･でもバランスはしっかりしてる･･･)」
騎羅は攻勢を緩めず、Aの様子をうかがっている。
Aは息を乱さず、騎羅の攻撃を木刀で防ぎ、跳ね返している。
「(私の体力を消耗させようとしてる･･･？だとしたらそう簡単には減らな)」
かんっ！
「っ！？」
Aが急に力を込めて、騎羅の木刀を押し返した。
急な事に騎羅は目を見開き、少しよろめいて立ち止まる。
「(体力温存させてた･･･？それにしても、急に力強く･･･) ！！ 」
Aが木刀を構えて、騎羅についに攻勢をしかけてきた。
今まで守りに徹底したAが、急に攻撃を始めた。
騎羅に負けない位木刀を振って、ついには騎羅を押し始める。
「！？クミさんが押された･･･！？」
「男の人には押される事があったけど･･･まさか女性相手で押されるとは･･･。」
与動が驚いてそう言葉を零し、把雪はAと騎羅の手合わせを分析する。
「Aさん･･･一体何を、きっかけに･･･？」
攻勢に入ったAを見て、蝶滑は不思議そうに呟く。
「恐らくこのままでは一方的にやられてしまうと思ったのだろう。
･･･それにしても･･･ッ素晴らしい！
クミ氏に劣らぬ剣さばき！避ける時の身のこなし！
女性特有の身体の柔らかさで型のない攻撃を繰り出す！」
グンッ
「！しまっ」
ダンッ！！
「ぐっ･･･」
騎羅の後ろに回り込んだAが、木刀の峯を騎羅の上着で引っかけて後ろへ転倒させる。
そして倒れた騎羅を踏まないように上に立ち、騎羅の顔のすぐ傍に木刀の先を突き刺した。
「･･･しゅっ･･･終了！」
突然決着が着いてボーッとしていた和伝が、ハッとして終了を告げる。
「･･･あ、ありがとうございました･･･。」
Aは少し困惑しながら、騎羅の上から避けて頭を下げた。
「だ、大丈夫ですか？騎羅さん。」
「･･･ん。」
Aに手を差し伸べられて、騎羅は短く返事をしてその手を取って立ち上がった。
「･･･A、だっけ？強いよ、充分。」
「へっ？･･･あ、ありがとうございます･･･！」
Aは少し目を丸くさせてお礼を言うと、騎羅は小さく笑った。
「･･･なぁ、グルッペン。」
「ん？何･･･まさか。」
碧空に声をかけられて、帝独がそちらを見る。
碧空は恍惚とした表情で、木刀の傷を観察しているAを見ている。
「止めとけ、ゾム。手合わせが終わったばかりだ。」
「やけど俺･･･血が騒ぐ！！」
「！ゾムッ！！」
第29話 一般人の身のこなし･･･？→←第27話 騎羅 対 脱下
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
