第27話 騎羅 対 脱下 ページ29
「どうします？審判つけます？」
黒笑は赤稀に、そう訊ねた。
「そうだね･･･クミに限ってやり過ぎる事はないだろうけど･･･。
三本勝負にする？」
「んーん。一本でいい。」
赤稀が騎羅に訊ねると、騎羅は首を横に振ってそう言った。
「まぁ場合を見てそこは追加しよっか。グルッペンさん、それでいいですか？」
「ああ。手合わせに関してはとも氏に任せる。」
「じゃあクミとAさんは距離をとってー！watoさんかけ声！」
「おーっし！」
赤稀に言われて、騎羅とAは向かい合って一定の距離をとる。
和伝は嬉しそうに声を出し、両者から少し離れて、両者の真ん中辺りに立つ。
周りも騎羅とAから距離をとって、観戦体勢に入る。
「よござんすかー？よござんすねー？
クミさんは、木刀のみでお願いしますよ！」
和伝はそう言い、片手を前に出して下げる。
「それではクミさん対Aさん！レディー！･･･ ゴー！！！ 」
タンッ！！
騎羅とA、両者同時に踏み込んで走る。
木刀と木刀がぶつかり、カン！と言う木がぶつかる音が大きくなる。
両者は互いに木刀をぶつけ合ったまま、一歩も引かずに押している。
「･･･。」
先に騎羅がAから離れ、攻勢をしかける。
騎羅からの攻撃を、Aは木刀で受けたりはじき返したりしている。
その戦いは緩くはなく、少々激しいので周りからは歓声が上がる。
「すげー！Aさんクミさんと渡り合ってる！」
「クーミさーん！頑張れー！！」
歓声が上がる中、騎羅は攻め、Aは守り続けている。
「･･･グルッペンさん･･･やはり、彼女は運良く被害がなかっただけでは･･･。」
蝶滑はAの様子を見ながら、不安そうに帝独に訊ねる。
「ひとらんから木刀を受け取った時に感じただろう、強者の気配を。」
「それは、そうですが･･･。」
「これは憶測だが、彼女に打たれた"栄養剤"は違法なモノだろう。
彼女が訓練もせずクミ氏と渡り合えているのは、恐らくソレが関わっている筈だ。
だからしんぺい神も採血によってその成分を見つけるつもりだろう。」
「･･･ですが、彼女は･･･クミさんに攻撃する気配が･･･。」
蝶滑と帝独が話している間も、Aは騎羅に攻撃する事はない。
騎羅が幾ら攻撃を強めようとも、ただ守りに徹している。
「女性とは言え、あの攻撃はよろめいてもいい筈だ。
それをぐらつきもせず防いでいる。
･･･いつ攻撃を仕掛ける･･･！」
帝独はもう、Aの戦い方に目を輝かせていた。
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
