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第21話 女旅人の話 ページ23

「ご馳走様でした。」
「お皿、片付けますね。」
「あ。ありがとうございます。」
Aは知快に皿を渡して、対面にいる帝独を見る。

「では、失礼かも知れないが・・・。
 貴女について質問をしてもいいか?
 場合によっては、我々について詳しく話したい。
 出会ったばかりで信じられないと思うが・・・。」
「・・・お話します。
 介抱してくださったお礼です、教えられる事はお教えします。」
Aは深呼吸をして、真っ直ぐ帝独を見据えた。
「まず、貴女の出身地は?」
「・・・10数年前に、戦争で滅びました。」
「滅びた・・・?」
「敗戦国とはなっておりますが、実際には"とある組織"によって滅ぼされたのです。」
「組織とは?」
「・・・詳しくは言えませんが、"ウィザー"に関する組織という事だけは。」
「貴女はその組織を追って旅を?」
「・・・目的の一つとしてはそうです。
 ですが、本当に探している人は違います。」
「『お兄ちゃん』って、倒れる前に言ってためう。」
押命に言われ、Aは静かに頷いた。

「兄とは、国が滅びる時に生き別れてしまいました。」
「生きている確証は?」
「・・・ありません。
 ですが、組織は兄や他数名を"適合者"として捕獲しようとしているのは知っています。」
「適合者?」
「・・・これについては、言えません。皆さんを巻き込む訳には・・・。」
「・・・貴女の懸念は、我々に戦争国のような戦闘力がない事か?」
「・・・組織は、前と違って強大になっていると情報があります。
 個人の目的に、一般市民を巻き込む訳にはいきません。」
Aは俯きながら、帝独に話す。
「防衛を任されている貴方が言えば、私はすぐにでもこの街を出て行きます。
 旅人の私に、決定権はありません。」
「・・・貴女は、我々を一般市民と言うのか?」
「・・・はい。この街は平和そのものです。
 優しい方がたくさんいる、この街は戦争とはかけ離れています。」

「・・・顔を上げてくれないか?」
帝独に言われ、Aは何を言われるのかと恐る恐る顔を上げる。
「・・・?」
帝独は、口角を上げていた。
帝独どころか、他の人も悪い笑みを浮かべている。
「・・・え・・・?」
「貴女は、我々が戦争とはかけ離れていると思うのか?」
「武器も、ないじゃないですか・・・。
 この辺りは治安がよくて、戦争とは程遠いと・・・。」
「確かに治安は良いな。人々は平和に暮らしている。」
「仇琉さん。話してもいいんちゃう?」
「そうだな。」

第22話 戦争組織→←第20話 起きた旅人と男達



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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・!これから注意しながら更新していきます!! (2021年9月9日 20時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年9月9日 17時

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