第19話 目覚め ページ21
「･･･とりあえずご飯食べよう！勿体ないし！」
静まり返った場の空気を変えたのは、赤稀だった。
「"グルッペンさん"達がいれば安全だし、何かあっても俺らで対処出来る。
今はそこだけ注意して、お腹を満たそう！」
「さっすが"ともさん"！今日は何すか！？」
赤稀を中心に、とりあえずは住民達は賑わいを取り戻した。
○●○●○
住民全員が酒場に集まった翌朝。
「起きへんなー、コイツ。」
碧空はソファに寝せられているAを見ながら、頬を軽くつついて呟く。
「こら"ゾム"。安静にさせとけって言われとるやろ。」
「やって。夕方からずっと寝とるんやで？」
太山に注意をされて、碧空はつつくのを止めて口を尖らせる。
「"ぺ神"が言うには、
『記憶処理が一気に起こって脳がパニックを起こして失神したんだろう』って。
やからあんま動かさんであげぇや。」
「ちぇー。」
「ほら"ゾム"。手が空いてるなら朝食を並べるのを手伝って。」
「出来たん？"兄さん"！」
「うん。出来たから頼む。」
「はーい！」
豈和に呼ばれて、碧空は嬉しそうに食卓の方へと行った。
「･･･"エミさん"も、心配なのは分かるけど少し休まへんと。」
もう一人Aの様子をソファの傍で見ていた、薄らと隈を作っている蝶滑に声をかける。
「･･･私が連れて来たんです。
彼女が倒れる原因を作ったのも私です。
･･･目覚めるまでは、気を抜けません。」
「･･･せめて朝ご飯は食わんと。」
「！ありがとうございます。」
太山が蝶滑の分のトーストを取って来て、蝶滑に渡した。
蝶滑は礼を言って受け取り、朝食を食べ始めた。
「･･･ぅ･･･」
「！Aさんっ･･･！」
朝食から少し経った後、Aが少し苦しそうに目をゆっくり開けた。
「･･･ちょう･･･こつ、さ･･･？」
「はいっ･･･！･･･すみません、Aさん･･･。
私がお手伝いすると言ったばかりに先走って･･･。」
「･･･気にしないで、ください･･･。
私も、急に倒れてしまって･･･。」
「お、起きた？」
蝶滑とAが謝り合っているのが聞こえ、神さまがソファまで来る。
「頭は痛くない？」
「少し･･･後、喉が･･･。」
「夕方に倒れてからそのまま寝てたからね。お水持って来て上げて。」
「は、はいっ。」
神さまに言われて、蝶滑は立ち上がりキッチンへ行く。
「･･･此処は･･･？」
「説明するよ。起き上がれるかな？」
「･･･はい･･･。」
第20話 起きた旅人と男達→←第18話 爆破の怪物と遠い記憶
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
