第18話 爆破の怪物と遠い記憶 ページ20
話を聞いていた押命に訊かれて、Aは目を見開いて口を押さえる。
「神話についてそこまで詳しく覚えてる人はいないめう。
学者でも災害の大きさは大まかにしか分からないから、そこまで恐れる事はそうそうないめう。
なのにAちゃんがそこまで怯えているって事は、
現在"ウィザー"が"何処で"、"どの様に"創られているのか知ってる様に感じられるめう。」
押命の話に、周りが静まる。
「･･･ち、が･･･。」
「『戦争国家であれば勝ち目が』なんて、考古学者も言わないめう。
伝承でも武器を使って何処まで対処出来たかなんて出て来ないし、
戦争国家の戦力を知っていたとしても勝ち目までは推測出来ないめう。
Aちゃんは何でそこまで怯えるめう？
伝承なら『実在しない』と、その程度で終わればいい筈めう。
何でそこまで"ウィザー"に詳しいめう？」
押命の問いに、Aは息を呑む。
『＿＿＿。こっちにおいで。』
Aは、遠い記憶を思い出す。
「わ、たし･･･。」
『これ、＿＿＿にあげる。』
『え？なんでって？』
その人は、とても優しく笑っていて。
「わ、たしっ･･･。」
「？Aさん･･･？」
蝶滑は、Aの異変に気づく。
『あー･･･お守り。
コレがあれば、はなれたってぜったいまたあえるだろ？』
「･･･に･･･」
「Aさん･･･？Aさん･･･！？」
『だいじにつけといて。おにいちゃんとのやくそく。』
「･･･お、にい･･･ちゃ･･･」
ぐわんっと、景色が変わる。
「！Aさん！？Aさん！！」
薄れていく景色の中、Aが最後に見たのは、蝶滑の不安であり焦る顔だった。
「"しんぺい神さん"！Aさんが！！」
「落ち着いて"エミさん"。･･･大丈夫、気を失っただけだ。」
蝶滑に言われ、神さまがAの様子を診た。
呼吸を確認して、Aが失神しただけと分かり周りは安心する。
「一体何が･･･。」
「･･･多分、Aちゃんは"ウィザー"について"深く知りすぎてる"気がするめう。」
押命はAを見て、考えながら呟く。
「"オスマンさん"･･･。」
「一応、こっちの家で預かった方がいいかも知れないめう。
どうする？"グルちゃん"。」
押命が見る先には、同じく考え事をする帝独がいる。
「･･･そうだな。安全面を考えて、我々が"保護"しよう。」
帝独がそう呟くと、騒いでいた周りはまた静かになる。
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眼目夢子(プロフ) - あんですよ〜さん» ありがとうございます・・・！これから注意しながら更新していきます！！ (2021年9月9日 20時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あんですよ〜 - 気にせず明るくいきましょ!!ついでに☆押しときます! (2021年9月9日 20時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - ぽんさん» 申し訳ありません、確認不足でした。急いで訂正致しました。ご報告ありがとうございます。 (2021年9月9日 18時) (レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年9月9日 17時
