6*Hisayoshi ページ6
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玲音「ん? わふれたのか、田口だぞー。ほら、王子様だろおまえ」
楓「先生、飲み過ぎ。早く部屋戻って」
多分、正常だったら、
“田口”なんてワード出さない。
しかもこんなタイミング。
だから、ホントに飲みすぎなんだよ。
酒をとりあげて、本当にもう部屋に返そうとする。
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そんな俺らの横から、
少し遠慮がちに、
だけどしっかりと、
声が聞こえてきた。
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希「田口って、葵さんですか?」
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彼女の口からの、まさかの問いかけ。
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今年も変わらず残暑が厳しいっていうけど、
暑さにやられちゃったのか?
いや、そんな訳ないよな。
早田と二人で驚いて振り返って、
彼女の目を見てみるけど、
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玲音「おー、そうだぞー。バカ田口の親御さん。ちょーののこと電車のおうじさまーって、」
完全にアウトの玲音とは違って、
全然酔ってない。
黒目がちなその瞳は、
しっかりと見つめている。
ちょっと、似てるかも。
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長野「電車の王子様なんてアイツ言ってなかったから」
楓「希さん、ごめんね、先生酔っちゃってておかしなこと言ったけど気にしないで」
玲音「ヘンなことなんていってないぞー、ぜんぶホントじゃんかあ」
楓「先生、部屋戻るよ」
そう言って、半ば強引に先生を部屋に戻す。
もう、酒なんか飲ませらんねーな。
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作者名:ひー | 作成日時:2015年5月30日 16時