テーマ ページ28
席が埋まり、顔合わせが始まった。まずは自己紹介から入った。
声優、俳優共に6人ずつの計12人。プロデューサーと舞台監督と音楽監督と演出家が集まっている。
「プロデューサーの鷲山ひばりです！まだ何も決まってませんが、皆さんの知恵をお借りしていい舞台を一緒に作っていきましょう！よろしくお願いします」
30代くらいの女性だった。髪は短く切り揃えていて、身長が高い。
「舞台監督の中村茂です！夏生先生の作品に期待しつつ、お客様に楽しんでいただける舞台を作りましょう」
こちらは40代くらいの男性だった。黒髪に白髪が混じりはじめている。
「プレッシャー」
顔を覆うAに、廣瀬は笑った。慰めるように肩を2回叩かれて、Aは廣瀬と顔を見合わせて笑う。頑張る以外の選択肢はないのだ。
自己紹介は進んでいき、最後の1人が終わった。話題は自然とプロジェクトの話になる。
「物語のテーマですが、先生どんなものがよろしいですか？」
「……アクションものとか、ファンタジーものとかでしょうか」
なるほど、と頷くひばり。何かを走り書きして、彼女は顔を上げる。
「役者さんや声優さんも何か演じたいテーマなどあればおっしゃってください」
俳優、声優の方に話を振るひばり。嬉々として手を挙げるのは蒼井翔太だった。
「恋愛ものとかどうでしょうか？」
「アクション、ファンタジー、恋愛。うまく融合できますか？」
ひばりに問いかけられて、Aはぎこちなく笑いながら答えた。
「が、頑張ります…」
一応プロとして小説家をしている意地から、簡単に無理だとは言えなかった。ただ、恋愛描写はかなり苦手分野である。
「次に、プロジェクトの名前ですが」
いつまでも『3大プロジェクト』では集客も見込めない。
「夏生先生を中心に回るので、夏生Aプロジェクトなんていかがでしょう？」
「……それは…」
ひばりの提案に異議を唱える者はいなかった。ただ、本人だけが複雑な心持ちだった。
「先生、いいですか？」
ひばりに頷いてみせる。A1人が異議を申し立てたところで、どうにもならない。ただ、平和に大きなトラブルもなく事が進むのを望む。
「決まりですね」
そう言ってひばりが笑う。美人は笑顔も美しいから羨ましい、とAは自分を棚に上げて思う。
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星ノ宮昴(プロフ) - westさん» ありがとうございます！そう言っていただけると励みになります！ノリで書いているので、更新はかなり不定期ですが、よろしくお願いします (2021年3月7日 23時) (
レス) id: 0939823488 (このIDを非表示/違反報告)
west - コメント失礼します！読んでてすごい面白くて、あっという間に読んでしまいました！これからも陰ながら応援させていただきます！ (2021年3月7日 22時) (レス) id: 4daf55a770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星ノ宮昴 | 作成日時：2021年2月3日 1時
