ミルクティー ページ11
「うん、かわいい」
手を引けば、すぐに解放してくれた。
「なんだ。普通に優しいじゃん。Aのことめっちゃ好きっぽいし。何が嫌なの？」
ミルクティーに口をつけながら、Aはつばさを見る。優しい微笑み。少しだけ緊張したような表情が混じっていた。
「……強いて言うなら顔」
「えっ」
両手で顔に触れて、つばさは少しだけ顔を下に向けた。顔が嫌、と言われれば改善策はない。そんなに老け顔だったか、とスマホの画面で確認しようとした時に、ぼそりと声が聞こえた。
「顔が整いすぎてる。一緒にいたら刺されそう」
その一言でつばさは頬を緩めた。
顔が整っているから、一緒にいたら嫉妬されて刺されそうだから嫌だ。それはつばさに限らず、だけれど。
「嬉しい」
「崎山さんの感情は聞いてない」
「うん。でも嬉しい。ありがとう」
嬉しそうなつばさの顔を横目に、Aはミルクティーを飲んだ。
「なんか俺、崎山さん応援したくなった。Aじゃなくて」
「おい！」
「だって、こんなに優しくて、気が長そうだし、穏やかで一途だし。あの一さんにも臆さないし、お前のこと世界で1番かわいいって言い切れるんだぜ？お前との相性も良さそうだし。正直、いい人すぎてお前にはもったいねーけど、お似合いだと思うよ」
「ありがとう、楓くん」
「楓のバカ！裏切り者！あんただけは味方だと思ってたのに！」
うわーっと机に突っ伏したAはやっぱり、つばさの想いには応えられないから、胸が苦しくなる。
「はいはい。ごめんね」
棒読みの謝罪と、2度叩かれた肩。
「追加でショートケーキ頼んでいい？」
「いいけど。私も追加でミルクティーシフォン頼んで」
「了解」
「崎山さんは？」
つばさは少し考える素振りをしてから、首を横に振った。
「俺はいいよ。ありがとう」
それを聞いて、楓が2人分の注文を済ませてくれた。
「Aちゃん、ミルクティーばっかり。好きなの？」
「大好き」
ふふ、と笑う彼女につばさはつられるように笑みを深めた。
「かわいい」
何かを好きだと言って笑う姿がとても可愛らしい。笑顔を見るたびに、彼女の仕草ひとつに高鳴る鼓動の音を彼女に聞かせてやりたくなる。
注文したものが届き、更に目を輝かせる彼女につばさはまた胸を高鳴らせるのだった。
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星ノ宮昴(プロフ) - westさん» ありがとうございます！そう言っていただけると励みになります！ノリで書いているので、更新はかなり不定期ですが、よろしくお願いします (2021年3月7日 23時) (
レス) id: 0939823488 (このIDを非表示/違反報告)
west - コメント失礼します！読んでてすごい面白くて、あっという間に読んでしまいました！これからも陰ながら応援させていただきます！ (2021年3月7日 22時) (レス) id: 4daf55a770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星ノ宮昴 | 作成日時：2021年2月3日 1時
