３６．離婚いたしましょう。 ページ38
愈史郎side
「珠世様！！！」
バシャッ！！
ジュゥゥゥッ
診療室は薬品の強烈なにおいと、
肉が焦げるようなにおい、
しかしその薬品は珠世様に届くことはなかった。
「なっ！？」
なぜなら珠世様の前に飛び込んできた彼女が
珠世様の代わりに薬品を頭からかぶっていたからだ。
美しかった髪は薬品で所々が縮れてねじ切れ
透けるように白かった肌は赤黒くただれてしまっている。
「な、なんて醜い姿だ！！」
己がやったことにも関わらず男は彼女をそう罵った。
だが彼女は何も言わず、“そのままの姿„で男へ近づいていく
すると男はその場で腰を抜かした。
「あなた、ご自分が何をなさったかお分かりになっていますか。あなたは今女性に手を挙げたのですよ。しかもこのような劇薬を、己のその時の感情に任せて女性に向かって投げたのです。」
「だ、だったらなんだといういうんだ！！金を払えばいいんだろう！？」
「この愚か者！！」
とてつもない迫力だった。
辺りの空気が震え
男はみっともなく「ひぃぃぃ。」と縮こまった。
「よいですか、女性というのは身も心も美しくさを求められ、そうでありたいと思うものなのです。好いている殿方がいればなおのこと。あなたがいま行った行為は体にも心にも消えない傷をつける非道な行い。私の旦那様とて私に手を上げたことなどただの一度もござません。あなたも殿方であるならば女性に手など決して上げてはなりません。良いですね、二度目はございませんよ。」
そう言い切ると彼女はいつもの柔らかな雰囲気へと戻り、
男は脱兎のごとく逃げだしていった。
「珠世、怪我は？」
「あ、ありませんが、A様が、、、、」
「私は大丈夫よ。それよりまだ待っている方がたくさんいるわ。私はこんな状態だし、他の人を怖がらせてしまってはいけないから今日こちらには出てこないわ。こっちは大丈夫でしょうけど、頼んだわよ。」
そういうと奥の部屋に歩いていった。
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さきた(プロフ) - まいまいさん» ありがとうございます！これからも気長にお付き合い下さると嬉しいです！ (2020年12月26日 12時) (
レス) id: ab0620d4e3 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - 面白かったです！応援してます (2020年12月23日 20時) (レス) id: ab72577554 (このIDを非表示/違反報告)
さきた(プロフ) - 天雪さん» 離婚と結婚ですもんね笑本当に真逆になってます笑お褒め頂きありがとうございます！ (2020年8月20日 16時) (レス) id: ab0620d4e3 (このIDを非表示/違反報告)
天雪(プロフ) - 話のタイトルだけだと善逸と真逆の事言ってますね笑 …すごい文才ですね！← (2020年8月13日 22時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
さきた(プロフ) - ありがとうございます。そういっていただけてとても嬉しいです！素敵な夢ですね！頑張ってください！！ (2020年3月23日 0時) (レス) id: ab0620d4e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さきた | 作成日時：2020年3月1日 11時
