【名探偵コナン】おいコラ、私のうはうはハーバード生活を返しやがれ！！ その４【トリップ】

第１８８話 ページ48

「時間がないから簡潔に説明するわね」

興奮する私に対し、哀ちゃんは真剣な顔つきで話し出した。
私も慌てて思考を現実に戻し、彼女の話を聞く。

「貴方の推理通り、先程工藤君には彼が昨日飲んだのと同じ解毒剤を渡したわ。けれど複数の服用により、彼の体には耐性ができてる筈。要するに効力の持続時間が短くなるの」
『成程ね、何時間効力が持続するかは予想付く?』
「…個人差があるから正確には出せないけれど、せいぜい4時間が限度ね」
『え゛』


み じ け ェ…思いのほか短いぞ!?今回24時間なのに、次がその6分の1だと!?
それじゃあ米花町まで持つかどうかじゃん…うわぁ、益々面倒な事になる予感!



予想外の効力持続時間に愕然としながら、話に耳を傾ける。

「それと発作が起きてから幼児化する迄の時間も、今回より短くなると考えられるわ」
『…それ工藤君に言った?』
「あの一瞬で話せるわけないでしょ。とりあえず薬の効力持続時間が短くなる筈だから、早めに
切り上げてこいとは言っておいたけど…」
『あの推理バカ気障王子が素直に従う筈ないと』

私が言葉を引き取ると半目で哀ちゃんが頷く。

「彼女がいるもの、どの道無茶しかしないわよ。という訳でそれを貴方に渡したの。いざとなったら頼れるのは貴方と大阪の彼、私たちも追跡するけどそう易々と出ていけないから」
『ラジャーっス。そんでこれ、どう使うの?麻酔銃なのは分かるけど…』

いつも通りの流れ、必殺・知らんぷり。これもなかなか骨が折れるものである。
すると開発者である博士が説明してくれた。

「この時刻合わせのネジを押して針を発射するんじゃよ。上蓋を外せば、それが照準スクリーンとなるからその十字線で狙えばいい。何処でもいいから肌を狙って刺せば30分は効くよ。じゃが、針は1本だけだからチャンスは1度だけだ」
『1度だけ…』

分かっていたその言葉に、思わず生唾を飲み込む。


はわわわ、責任重大じゃねェか…!私射的とかやった事ないんだけど!?
コナン君ハイスペックだわ、偉大だわー



するとその時、蘭ちゃんの声が近くでした。

「トーカちゃーん?いるー?」
『!!やばっ』
「じゃあ、後は貴方に任せるわ。兎に角工藤君が危うくなったら、何としてでも誤魔化して」

哀ちゃんはそう言うと博士と個室に滑り込む。間一髪、その直後に蘭ちゃんが現れた。

「あっ、トーカちゃん!何やってるの、早くいくよ?」
『ごめんなさい、今行く!』



まァた頑張んないとなぁ、あっはーヤバい死ぬゥ

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