第１８３話 ページ43
「くぁ…ッ!!」
工藤君が呻き声を上げて益々強く胸を抑え付ける。汗の具合からしても
どうやら禁断症状(仮)が相当酷くなってきてる様だ。流石にその状況を
見て蘭ちゃんも訝しんだらしい。
「し、新一?――ってヤダ、凄い熱!!」
そう言って彼の額に手を当て、驚愕する蘭ちゃん。一気に不安と心配に駆られていく彼女を、私は必死に宥めた。
『き、きっと風邪だよ、風邪!新一兄ちゃん湖に落ちたって言ってたし!!』
「そら、そうやろうけど…」
「苦しみ方が尋常じゃねェぞ…?」
ッたり前だろ!!
見た目だけでも70cm以上縮むんだぜ!?相当な苦痛だろうよ、私も体験済みだボケ!!
内心全力で突っ込んで彼らに同意していると、すかさず平次君が力を貸してくれる。彼は工藤君の口元に耳をやって言った。
「え?何?便所に行って出すモンだしたいやと?」
勿論とびっきり出まかせである。眠りの小五郎とは別の意味の、ダイナミック腹話術だ。
だが今はこうでもしないと彼らから工藤君を引き離せない。私も平次君に同調した。
『じゃ、じゃあ私と平次兄ちゃん、新一兄ちゃん連れて旅館のトイレ行ってくる!!』
「ほんじゃ和葉は、俺のバック持ってきてくれや!!」
工藤君の背を押しながら平次君が言うと、和葉ちゃんが眉を潜める。
「何でバッグ持って行かなアカンのん?」
『着替えだよ!新一兄ちゃん凄い汗だし、いつまでも死羅神様の格好って訳に行かないでしょ?』
まぁホントは別の用途だろうけどね、と内心付け加えながら私は返す。
そして訝しむ彼らを尻目に、工藤君を旅館へと小走りで連れて行った。
「――ってトーカちゃん!男子トイレに入るの!?」
我に返った蘭ちゃんの言葉なんて聞いてません。
□□□
半ば引きずる様に工藤君を旅館に連れてきた私たちは、彼を男子トイレの個室にねじ込む。
この際性別は関係ないだろ、と私もガッツリ入る。
「に、24時間!?」
そして現在、工藤君が平次君のデジャヴを叫んでいる最中だ。
苦しみ喘ぐ工藤君何かクるわ…じゃなくって!!汗に濡れる彼がメチャ色っぽいとかは置いといて!!
――私は彼に頷く。
『うん、哀ちゃんが電話でそう言ってた!』
「薬の効力が続くんは大体24時間!それまでに工藤君をこっちに連れて帰ってきなさい!ってのォ!!」
平次君の全然似てない物マネに、そろそろ時間じゃねェか…! と工藤君が荒い息で言う。
そんな彼に平次君は自分のバックを差し出した。
「兎に角、小っさなってしもたら、このバッグん中に入っとき!」
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立体起動装置愛用者(プロフ) - ハルさん» そうなんですよ、とりあえずそこまで行かないと純黒のメドが立たないんです(白目)おおお、温かいお言葉ありがとうございます!続編でもどうぞよろしくお願いします!! (2016年8月12日 8時) (
レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 立体起動装置愛用者さん» 目標安室さんなんですねw飽きるなんてとんでもないです！これからも楽しく読ませてもらいます (2016年8月12日 7時) (レス) id: 72a9d5b272 (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - ハルさん» はい、色んなキャラが出ますよ〜!とりあえず目標は安室さんなんですが、そこまで果たして続くのか。そして読者さんは飽きずにいてくださるのか…。おお、その絡みが好きですか!うーん、でも彼が新一の姿なのは今回以外はロンドンだけですねぇ…。あ、映画があった! (2016年8月11日 8時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - これから先進んでいくに連れ他の色んなキャラとの交流も増えますよね！あとトーカちゃんと新一のからみ、大好きなのでもっと増えることを願ってます！ (2016年8月11日 8時) (レス) id: 72a9d5b272 (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - 紅葉さん» ホント笑えないですよね…コナンはどこまで続くんだろう…早く全カップルがくっついてほしいなー。私の願望は新蘭と平和カップルが其々キスしてるところを見る事です(断言)男の子2人は何気にキス上手そう、早く来ないかな〜。え?書かない?言わせねェよ(超笑顔) (2016年8月10日 22時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
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