【名探偵コナン】おいコラ、私のうはうはハーバード生活を返しやがれ！！ その４【トリップ】

第１８２話 ページ42

ごめんなさい全力で訂正します、疫病神は未だ去らなかった…!
むしろ一難去ってまた一難の類いだった!!



「あ゛ぁ…っ!!」

突然工藤君が胸を押さえて苦しみだした。彼の飛ぶように早くなっているだろう心臓の鼓動が、こちらに聞こえてきそうな勢いである。それがAPTX4869の解毒剤の解除リミットを示すものである事
位、ガッテン承知の助だ。そしてそれを理解した瞬間、疲労感と焦りで全身が硬直する。


『…う、わ』

引き攣った口から思わず呻き声が零れ落ちた。


――おっわぁぁ、全ッ然忘れてたけどそういやもうすぐ24時間経つじゃねェか!
ヤバいヤバい、工藤君引き離さないと!ここで幼児化されたら色んな意味でオワタだ!!
だってコイツもう耐性出来ちゃってるもんね!?学園祭みたいに元に戻らないとか有り得ないよね!!

おいコラ嘘だろ、休む暇さえ与えてくんないのかよ畜生この鬼畜魔め!!



内心悪態を付いた後、素早く平次君と視線を交わらせる。その切迫した表情を見る限り、互いに焦っているのは同じらしい。

＜アカン!もうすぐ24時間、小っさい姉ちゃんのゆーとったリミットやないか!!早よ工藤をコイツらから引き離さんと、エラい事になるで!?＞
≪分かってるっつーの!何とかするから協力頼むよ!?≫
＜お安い御用や!!＞

目だけの会話所要時間、0,3秒。この秘匿感いいわ、マジでヤミツキだわ…!!とちゃっかり喜ぶ事も
忘れない。




「おい、大丈夫か?」
「具合悪いん?」

突然の容体の豹変ぶりに驚いて、おっちゃんと和葉ちゃんが工藤君を覗き込む。
とりあえず先方は私だ。苦しむ工藤君の腕を掴んで、瞬時に考えた出まかせを言う。

『あっ、そう言えば事件の詳細を教えてくれって、刑事さんに新一兄ちゃん呼ばれてたよ!』
「せやせや、早よ連れてかんとな!!せやから和葉たちは先に車に…」

平次君も助け舟を出してくれ、工藤君の体を半ば強引に掴む。
しかし、そんな彼の腕を反対側から引き留める者がいた。

「ダメ!!」
『えええ!?』

あろう事か蘭ちゃんである。思わず悲鳴をあげちゃったのは、驚愕と焦燥のせいって事で
お許し願いたい。

「私だって新一に聞きたい事…いーっぱいあるんだから!!」

強めの口調でそう言う蘭ちゃんの頬は、若干紅潮していた。



うぉぉぉおぉぉ、待ってくれジュリエットォー!!
いや、分かるんだよその気持ちは!!やっと想い人が帰ってきたんだもん、ゆっくり話したいよね!
でも現実は残酷で、今そんな事は二の次なんですよお嬢さぁぁぁん!!

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