第154話 ページ14
「何か思い出したんか!?」
「…」
嬉々として平次君が飛びつくも、工藤君は浮かない顔で黙ったまま俯くだけ。
その態度が、何も思い出せなかったという事実を物語ってくれた。
「まぁガッカリすんなや!記憶なんかその内戻ると思うし…」
『そうそう!ポジティブシンキングだよ、新一兄ちゃん!』
そう2人で元気づけていると、突然嫌味な笑い声が廊下に響いた。
「アハハハハ!!どんな手を使ってくるかと思ったら、どうやらまだ何も思いついていなかった様ね」
『はぁ!?』
「手やと!?」
笑い声の正体は河内さん。またしても腹立つその物言いに言い返そうと体を動かす私と、聞き返しつつも私の頭に手を置いて動きを封じる平次君。離せや服部ィ!!
「私にはわかっているわよ、工藤君?貴方の魂胆はね…」
彼女は嫌味な笑みを浮かべたまま、馬鹿にした口調で語る。
「例え工藤君の大ファンだった馬鹿な友達を持つ、このお人好のお嬢さんや
工藤君の推理ミスが発覚したにも拘らず一向に捜査を再開しない無能な警察…
そして、工藤君と一緒に来たこの呑気なお友達連中はごまかせても…私の眼は欺けないわよ!」
はい皆さん、こんな感じの人を馬鹿にするタイプがどうなるかって知ってます?
そう、真っ先に殺されるタイプだね要は死亡フラグ!!ドンマイ婆さん、ご冥福お祈りしない。
何なのお前らまともに口きけないの?人の迷惑とか考えてない訳??常識身に着けろクソが!
脳内で暴言を吐きまくるも、最早相手にするだけ時間の無駄だと考えて一応口を閉ざす私。勿論悪く言われた氷川さんや城山警官含むその場の皆もいい顔をしない訳で。まぁ城山警官は職業柄というか何というか、仏頂面を貫いてたけど。
そしてそんな彼女に戸惑う表情を見せた工藤君を覗き込み、河内さんは更に挑発した。
「あら何?その顔…まさか私にバレてないと思ったの?」
だ・か・らァ、何が言いたいんだこのクソババア!!
「まあ観念して何もかも告白したくなったら、私の泊まっている湖東旅館へいらっしゃい!
そうしたら貴方の事、好意的に記事にしてあげるから。貴方が隠し通そうとしている、言ってはならない真実っていうのをね!」
□□□□
「しかしやなおばさんだったなァ、あの新聞記者…」
「あぁ、言うてる事がよーわからんかったわ」
『主旨は簡潔にわかりやすく、って新人時代に教わらなかったんじゃない?』
そして屋敷から帰る途中、上から順に悪態をつくおっちゃん、平次君、私。
残りの3人も浮かない顔だ。
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立体起動装置愛用者(プロフ) - ハルさん» そうなんですよ、とりあえずそこまで行かないと純黒のメドが立たないんです(白目)おおお、温かいお言葉ありがとうございます!続編でもどうぞよろしくお願いします!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 立体起動装置愛用者さん» 目標安室さんなんですねw飽きるなんてとんでもないです!これからも楽しく読ませてもらいます (2016年8月12日 7時) (レス) id: 72a9d5b272 (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - ハルさん» はい、色んなキャラが出ますよ〜!とりあえず目標は安室さんなんですが、そこまで果たして続くのか。そして読者さんは飽きずにいてくださるのか…。おお、その絡みが好きですか!うーん、でも彼が新一の姿なのは今回以外はロンドンだけですねぇ…。あ、映画があった! (2016年8月11日 8時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - これから先進んでいくに連れ他の色んなキャラとの交流も増えますよね!あとトーカちゃんと新一のからみ、大好きなのでもっと増えることを願ってます! (2016年8月11日 8時) (レス) id: 72a9d5b272 (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - 紅葉さん» ホント笑えないですよね…コナンはどこまで続くんだろう…早く全カップルがくっついてほしいなー。私の願望は新蘭と平和カップルが其々キスしてるところを見る事です(断言)男の子2人は何気にキス上手そう、早く来ないかな〜。え?書かない?言わせねェよ(超笑顔) (2016年8月10日 22時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
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