第152話 ページ11
「1体500万!?」
そう叫び、持っていた吽像を凝視するおっちゃん。
するとその言葉に違和感を感じた平次君が城山警官に問うた。
「おかしないか?何で1体だけ持っていったんや、2体揃うてた方が価値があるやろ?」
確かにそうだ。2体揃えれば1000万、そこらの宝くじの4等位には軽く引っかかりそうな金額だもの
強盗犯だと仮定するなら、急いでいたって事…?うっわもったいな――んんっ、ワスレテ
「さぁ…。でもその点は、彼も引っかかっていたようですよ。1年前にもこの現場にやってきた
工藤新一君も」
『!』
その言葉に振り返り、張本人を見つめる。彼は、相変わらず不安げに俯いていた。ホント、いつもの
自信家で頭脳明晰なあの名探偵っぷりはカケラもない。
「なぁ工藤!まだ何も思い出せへんか?」
平次君が再び肩を掴んで問いただすも、彼は答えなかった。
□
するとその時、和葉ちゃんの驚愕する声音が聞こえた。
「ら、蘭ちゃん!ちょっと来てこっちの部屋!ビックリするで!」
彼女の言葉に、呼ばれた蘭ちゃんが部屋を出ていく。その後に私たちも続いた。
「しっ、新一の写真!」
『うっわ、大きーい』
さっきの部屋とは違って荒らされていない隣のその部屋は、学生が使っていたと思われた。そしてその壁には照れてニコニコしている工藤君の写真が大きく引き伸ばされて貼られている。
蘭ちゃんによると、彼が初めて雑誌の取材を受けた時の写真らしい。そして棚には、彼が解決した事件のファイルが所狭しと並んでいる様だ。
「ここは誠人の部屋よ。誠人は、この高校生探偵工藤新一を崇拝してたから…」
ついてきた氷川さんがそう説明してくれる。
誠人さんは事件の捜査に工藤君が関わると聞いてとても喜んでいたが、工藤君が出した無理心中という結論に流石に落胆していたそうだ。村長は家族をすべて亡くして天涯孤独の誠人さんを引き取って
くれた人だから。
「典型的なO型家族で村長も奥さんも大樹坊ちゃんもとても大らかで、居心地が良くて自分は幸せ者だっていつも言ってたわ…」
だから村長が奥さんに手をかけたというのはとても信じられない、でも信じるしかないんだ、と
彼は自分自身に言い聞かせていたらしい。
「誠人はあんたを名探偵だと信じ切っていたから!!」
「しかしその名探偵の彼が提示した真実、村長が癌通告により自暴自棄になったという殺人の動機が
見当違いだと発覚した」
工藤君に怒鳴る氷川さんの言葉を引き継いで、意味深に笑う河内さん。
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立体起動装置愛用者(プロフ) - ハルさん» そうなんですよ、とりあえずそこまで行かないと純黒のメドが立たないんです(白目)おおお、温かいお言葉ありがとうございます!続編でもどうぞよろしくお願いします!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 立体起動装置愛用者さん» 目標安室さんなんですねw飽きるなんてとんでもないです!これからも楽しく読ませてもらいます (2016年8月12日 7時) (レス) id: 72a9d5b272 (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - ハルさん» はい、色んなキャラが出ますよ〜!とりあえず目標は安室さんなんですが、そこまで果たして続くのか。そして読者さんは飽きずにいてくださるのか…。おお、その絡みが好きですか!うーん、でも彼が新一の姿なのは今回以外はロンドンだけですねぇ…。あ、映画があった! (2016年8月11日 8時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - これから先進んでいくに連れ他の色んなキャラとの交流も増えますよね!あとトーカちゃんと新一のからみ、大好きなのでもっと増えることを願ってます! (2016年8月11日 8時) (レス) id: 72a9d5b272 (このIDを非表示/違反報告)
立体起動装置愛用者(プロフ) - 紅葉さん» ホント笑えないですよね…コナンはどこまで続くんだろう…早く全カップルがくっついてほしいなー。私の願望は新蘭と平和カップルが其々キスしてるところを見る事です(断言)男の子2人は何気にキス上手そう、早く来ないかな〜。え?書かない?言わせねェよ(超笑顔) (2016年8月10日 22時) (レス) id: 4e1c80c688 (このIDを非表示/違反報告)
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