【名探偵コナン】おいコラ、私のうはうはハーバード生活を返しやがれ！！ その２【トリップ】

第４８話 ページ2

『来た!』

エレベーターの到着を告げるベルが鳴りドアが開くと、一目散にその中へ駆け込む。
そして双眼鏡を出し、向かい側に見える米花タワーマンションを観察し始めた。


社長が紙飛行機を飛ばし始めて2日経つ
誘拐犯は自サツしたらしいし、仲間がいなくて飲まず食わずならガチでヤバい!!


『早く見つけなきゃ!』


エレベーターはドアを閉め、どんどん上昇していく。人が乗っては下り、上に行くに連れて
人は減っていく。不思議なものを見る目を向けられたが、今はそんなの構っていられない。
私ははやる胸を落ち着かせつつ、ひたすら向かいの建物を凝視した。

『どこ…どこにいるの?』


その部屋が見つかったのは、乗ってから大分時間がたった後だった。

『!! アレだ!』

エレベーター側=東に面する36階の向かって右端、その部屋のベランダには大量の
飛行機が落ちていた。飛ばした時、ベランダの柵を超えられなかった物だろう。

それを確認した私は最寄りの階で下り、また下降する。
救急車を呼びたいのは山々だが、この高層マンションでは先述の通り電波が通じない。
下りていくエレベーターの中、時間がやけにゆっくり過ぎる気がして、焦りだけが
どんどん膨らんでいった。


□

やっとの事でエレベーターホールに着くと、マンションの外に出るのももどかしく、
私はすぐに119番へかけた。警察にも連絡すべきだが、まずは人命救助が第一だ。

『―――ですから、誘拐された代田社長を発見したんです!彼は米花タワーマンションの
36階の向かって右端の部屋に監キンされていてですね…』

自分でも何を言ってるか分からない程、めちゃくちゃだった気がする。
助けたいの一心で、ずっと怒鳴っていた。



子供口調も忘れて連絡を取りつつ、米花タワーマンションへと急いでいた時だった。
目の前を、何かが落ちていった。見てみれば、それは紙飛行機。しかも…

『ゆっ、諭吉!?』

それは一万円札で折られていた。私は頭をフル回転させる。

『! 相当ヤバいじゃんかコレ!!』

札が降ればみんな必死でどこから降ったのか探すし、警察沙汰にもなる。
という事は、それだけ彼の容態が悪く限りなく危険だという事だ。
お腹と背中がくっつきそう!とかいうレベルじゃないのである。

「どうされましたか!?」
『早く彼の救助に向かってください!いいから早く!じゃなきゃ彼―――』






―――再び怒鳴り始めた時だった



「その必要はないよ」

今まで散々聞いた声音が耳に飛び込んできたのは

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