あなたに興味なんて…ない、 (ページ5)

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「えっとね、怪我の原因としては、LIVE中に、ステージ上から誤って、3m下の奈落に転落したんだそうだ。」

ジミンさんの怪我に関する詳しい話を聞いていなかった私は、ジミンさんに必要事項を説明したあとすぐ、主治医のホン先生のいる医局に向かった。

「いくら普段からあんな激しいダンスとかしてるからと言っても、着地できなくて、足から変な形で着地して、足は行けない方向に曲がっちゃうし、腕や頭も強打しちゃったしで、右の脛骨(けいこつ)と、右手の親指を骨折。右の橈骨(とうこつ)と、右の肋骨(ろっこつ)1本にヒビ。まあ、全部右に集中って感じだね。」

ホン先生は、昨日撮ったジミンさんのレントゲン写真を指しながら怪我の状態を説明してくれた。

『脛骨ってことは、少なくとも7～8週間はかかりますよね。完全な機能回復には、3ヵ月ぐらいかかっちゃいますよね。』

脛骨は、ふくらはぎで一番太い骨だ。
だから、治るのにもそれなりの時間がかかる。

脛骨を折ったってことは、相当の衝撃と、相当変な体制で落ちてしまったのだろう。

「そうなんだよね…。でも、やっぱり仕事もあるし、2ヵ月も入院させるわけにはいかないって言われちゃったからさ、」

仕事があるからこそ、完治するまで待った方が、今後の為にもなるのではないかと思ったけど、超人気アイドルともなると、そういうわけにもいかないようだ。

「僕としては、とりあえず骨くっつくまで入院していて欲しんだけどさ、」

と、ホン先生もブツブツとボヤいた。

「でも、さすがに肋骨と、橈骨は、完治させておきたいから、1か月、1か月半は入院してもらうかな。若いし、親指は2週間ちょっとあれば治るだろうしね。」

『じゃあ、退院する時には、松葉杖で生活できるようにするってことですね。』

「うん。そういうこと。それならバラエティー番組ぐらいになら出れるでしょ。まあ、パフォーマンスをやるのは、完治してからにしてもらうけどね。それは絶対！」

普段は物静かな雰囲気に溢れているホン先生だが、
珍しく、最後だけは、声を張って強調させた。

『わかりました。じゃあ、1週間はベッドで安静。……』

最後に、先生と今後の予定を大まかに確認して、医局をあとにした。