あなたに興味なんて…ない、 (ページ39)

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「……っ！Aっ！！」

目が覚めると、見慣れた白い天井が見えた。
その視界の隅にソンベと今にも泣きそうな顔のヨナが見えた。

『私、なんで……』

「階段から転げ落ちたんだよ。覚えてない？」

ヨナが半泣き状態で側にやってきてそう言った。

『ソンベが最後に見えたのは覚えてる。けど、その後からは全く…。』

すると、ワゴンに処置道具を乗せてソンベがやってきた。

「額からの出血が多くて意識を失ったんだよ。額だから一応細かく20針縫っておいた。」

そう言いながら、ソンベは普段患者にする処置よりもさらに丁寧な手つきで傷の状態などの確認を始めた。

「出血はひどいし、脳震盪起こしてるしで4日も目覚めないから、もうこのまま起きないのかと思ってずっと心配だったんだよ？」

いよいよ留められなくなったのか、ヨナはボロボロと涙を流しながらそう教えてくれた。

『4日も……？！私、4日も穴開けてちゃったの？！ヨナ、ごめんね。』

ただでさえ、人手の足りていないこの現状で4日も穴を開けていたと思うと、恐ろしくなってきて仕方がなかった。

『ソンベ、もう今日から復帰していい？今日はたしか夜勤だったはずだから、それまではちゃんと休むから。』

診察を終え、処置道具の整理をしていたソンベが手を止めて振り返った。その一瞬表情がどこかせつなげに見えたのはたぶん気のせいではないと思う。

でも、ソンベはすぐ笑顔になって、

「退院はもちろんしていいよ。でもさっき師長にもう今日は帰っていいって許可もらったから、帰るぞ！俺も今日は夜勤明けでもう帰れるから、家まで送ってくよ。」

『えっ、でも…、』

「私達は大丈夫だから、気にしなくていいよ！明日も休みでしょ？しっかり休んで、次の出勤から元気になって出てきてよ！」

そう言って、ヨナは私の肩を軽くパンチした。

「そういうことだ、俺も今帰る準備してくるから、着替えて待ってて。」

それだけ言い残してソンベはワゴンを持って部屋から出て行ってしまった。

「荷物と着替えは全部床頭台の中に入ってるから、気をつけて帰るんだよ？まあソンベがいるから大丈夫だと思うけど、ちゃんと元気になって戻ってきてね？」

そう言って、ヨナも仕事に戻ってしまった。

部屋に1人取り残された私はどこか無力感を感じずにはいられなかった。