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講義を終えて、ヨナと食堂で昼食を取ることにした。
「やっぱり本はAのじゃないの？栞だけ落としちゃったのかもしれないし、その本読んでる人なんてAしか見たことないし、知ってる人なんて聞いたことないもの。」
オムライスをつつきながら、ヨナはそう言ってきた。
『やっぱりそうなのかな…。』
でも映画になったりして結構有名な作品ではある。
『それもそれで困るんだけどね、』
「まあそっか、そうだよね。」
ヒノキの栞は、昔とてもお世話になったピアノの先生から日本のお土産に貰った大事なものだった。
ほんのりヒノキの香りがして、私のとてもお気に入りの栞だった。
「どうせうちの大学生なんだし、どっかでまた会えるよ。」
『うん。そうだね、そうだといいな…。』
そうして、諦めてお昼を食べようと思ったその時だった。
「あっ、いたっ！」
そんな声が食堂の入り口から聞こえてきた。
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作者名：ミルキー | 作成日時：2018年5月2日 8時
