あなたに興味なんて…ない、 (ページ2)

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大学を卒業して、この病院に勤め、もう5年。

だいぶ、大きな仕事も任せるようになってきた。

でも、まさか、あんな仕事を私がやることになるとは思っていなかった。

「一昨日救急で入院してきた人がいるんだけど、」

2日後。

朝の朝礼で、看護師長が、新たな仕事の分担を説明を始めた。

昨日の人かな？

そんな事を思いながら、一昨日の光景を思い出していると、師長と目があった。

「特別な事情で、担当を看護師1人だけにしなくてはいけなくて、」

基本的に、1人の患者に、看護師と看護助手が1人ずつつくのだけれど、その人は、看護助手を付けずに、看護師だけをつけるというのだ。

「その担当を、Aさん。あなたにお願いしたいのだけれど、いいかしら？」

目があってから、その言葉まで、師長はずっと私の目を見て話をしていた。

そんな、重大な事情のありそうな人の担当を任せられるだなんて……。

『わかりました。精一杯勤めさせていただきます。』

一瞬の動揺はあったけれど、師長の言葉に一礼で答える。

「よろしくお願いね。っで、それにあたって、今担当している他の患者さんの担当を変わってもらうことになります。」

『えっ？』

私が、今担当している患者さんは、大部屋3つ、15人。

それを、他の人に任せるだなんて、患者さんひとりひとりの情報を引き継ぐのは、相当の手間がかかる。

「その患者さん1人に集中していただきたいの。これは、病院全体での決定なの。」

病院の決定と言われてしまえば、それ以上意義を申すことはできなかった。

でも、なぜ、そこまで異例な対応をしなければならないのだろうか。

その疑問はすぐに答えを与えられた。