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あれから1週間、それまでが嘘のように、


「ねぇ、ヌナ〜、ゲームしよ。」


「ヌナ〜、外行きた〜い。」


「ねぇ、ヌナ〜。」


と、ちょっと黙っていてほしいと思ってしまうほどに、部屋に入ればずっと話しかけてくるし、要望を言ってくることが多くなった。


『はぁ〜』


唯一、1人でゆっくりできる時間は、お昼休憩と、ジミンさんがリハビリをしている間。


肋骨のヒビが、だいぶ完治してきて、最近は補助具なしで座っていられるようになった。

その他も順調に治ってきているようだけど、1週間もベッドに拘束されていたおかげで、筋力の低下が著しく、今は左半身だけ、筋力回復に向けたリハビリをやっている。

「お疲れ様。」

休憩室で、雑誌のBTSの特集記事を読みながら、コーヒーを味わっていると、看護師長が入ってきた。

『あっ、お疲れ様です!』


ここは11階。
基本的に、この休憩室は私だけの部屋となっていたから、完全に気を抜いていたせいで、突然の師長の登場につい力んでしまった。


「調子はどう?」


そんな私の様子を見て、師長はクスクスと小さく笑って、私の向かいの席に腰を下ろし、そう言った。


『いい感じです。最初は、全くコミュニケーションが取れなかったんですけど、最近は馴染んでくれたみたいで何かあればすぐに声をかけてくれるようになりました。リハビリの方も、少しずつですが、』


と、話しながら、サーバーでコーヒーを作り、師長にコーヒーを出す。


「それはよかった。ずっとここにこもりっきりの仕事疲れるでしょ?」


自分から仕事を頼んでおきながら言うのもどうかと思うけど、と苦笑しながら付け加え、コーヒーを上品に飲む師長。

何年か前から噂にはなってたけど、師長がいい家の育ちだというのは、事実なのかもしれない。
そんな事を考えながら、私もコーヒーを一口飲んで、問に答える。


「はじめの1週間はちょっと疲れましたけど、ずっとベッドに拘束されてるジミンさんの方がツライに決まってるって思うと、そんな事気にならなかったですし、最近は結構、ジミンさんが外に出たいとおっしゃられるので、疲れることもなく、楽しくやれてますよ。」


師長の前で、さすがにジミンと言うわけにはいかないと思い、ジミンさんと口にしたが、1週間もするとそっちに違和感を感じた。

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作者名:ミルキー | 作成日時:2018年5月2日 8時

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