この差ってダメですか？【EXO】 2 (ページ9)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:13,885 hit

60 ページ9

定期テストが終われば、すぐに学園祭の準備が始まる。

「A〜！今日、先輩が来てくれるってほんと？！」

朝、学校に着いて早々、リサがとても興奮した状態で、早口にそう言ってきた。

そういえば、言ってたなそんなこと。

『うん。たしか、3時頃から来るって言ってたよ。』

今日は午前で講義が終わるらしく、練習も休みだそうで、久々にダンス部の様子を見に行く、と言っていた。

「ホントに？！やったー！！楽しみだな〜」

そう言って、満面の笑みで、足取り軽く自分の席に戻っていった。

リサは、中学の頃から、兄のダンスに憧れていたらしく、この高校に来たのも、兄がいたからだと、前に教えてくれたことがあった。

リサは、ベッキョン先生が大好きだから、違うと思ってはるけど、実は本当に好きなのは兄なんじゃないかって、たまに勘違いしそうになるぐらいに、兄の事となるとすごく喜ぶ。

「どうしたの？リサ、鼻歌なんか歌って、すごい上機嫌だけど、」

席に着くと、隣からセフンにそう聞かれて、ついつい苦笑いしてしまった。

ってか、鼻歌歌うほどに上機嫌なの？

『今日、オッパが部活見にくるって、話をしたらあの通りに。』

少し、リサの方に向けていた視線をセフンに戻すと、
餌を目の前に置かれて、目をキラキラ輝かせた犬のような顔をしたセフンがいた。

セフン、あなたもなのね。

2人の興奮のしっぷりに、なんだかため息をつきたい気分になってならなかった。

どうやら、このどんよりとした暗雲をはらってくれるような人は、私にはいないようだ。

兄なら、と思わないわけではないが、兄に話すことができるものならとっくに話している。

私よりできる兄には、間違っても言えない。

学園祭に向かって、校内はフワついた雰囲気があった。
でも、私の心は、それに逆らって、どんよりと、分厚い暗雲がたちこめていた。