74~SE~ ページ23
部活紹介の日、俺が憧れた人が、まさかのAのヒョンだったということを知って、本当にビックリした。
でも、Aのおかげで、ヒョンとはすぐに打ち解けることができて、入部初日からリサと2人で、ヒョンにいろいろと教えてもらった。
そのおかげもあってなのか、入部早々俺とリサだけ、1年にして一軍に入ることができた。
「A、クラスに馴染めてる？」
練習の休憩中、飲み物とタオル片手に隣りに座ってきたヒョンが、そう聞いてきた。
「あいつ、ホントにすごい人見知りだからさ、」
困ったように、眉を下げて笑いながら言うヒョン。
Aがすごい大事なんだなって言うのが、すごく伝わってきた。
『少しずつですけど、馴染んできてると思いますよ。まあ、まだジェニとリサとユラしか、タメでは話せないみたいですけど…』
入学して1ヵ月経っても、Aは完全には心を開けている感じではなかった。
「あれ、セフナもまだダメなのか？家で話に出たりしてるけど、」
『あっ、俺もタメで話してくれますよ。でも、Aから話しかけられたことはないかも……。俺、嫌われてるのかも…、』
そう思ったとき、喉のあたりがグッと苦しくなる感覚があった。
「そりゃないな。もしも嫌われてたら、俺にセフナの話ししてくるはずがないし、それこそ他人行儀になるよ。」
笑いながらそう言ったヒョンの言葉に、ホッとしたのと同時に、家でヒョンに自分の話をしてくれているんだと思うとすごく嬉しかった。
入学して1ヵ月半。
登校して自分の下駄箱を開けると、中に一通の手紙が入っていた。
封筒には名前も何もなかったけど、内容はなんとなく想像がついたから、そのままカバンにしまった。
教室について、周りに気付かれないように手紙を開くと、予想通り中身は、
"お話があるので、昼休み中庭に来てください。"
とのことだった。
中にも名前は書いてなくて、誰だかわからないし、こういうのはハッキリさせたほうがいい、仕方がないから行くことにした。
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作者名：ミルキー | 作成日時：2018年4月7日 12時
