道場破りのそのご！�� ページ8
.
幸い私も伊藤ちゃんも今井も大したことはなかった
伊藤ちゃんは瞼に絆創膏を貼るだけで済んだし、私もしばらくじっと座っていれば大丈夫とのことだった
今井はまだ気絶していてベッドに寝かされていたが、安静にしていれば意識は戻りいつも通り歩けるだろうと医者から言われた
谷川「……で、何でそんな男みたいな格好してるんすか
髪も赤く染めて」
『ああ、それは…』
今井の寝ているベッドの横にある椅子に座りながらそう質問するチビ太くん、もとい谷川くんに、経緯をかいつまんで話す
『…っていう理由でこういう格好してるの』
谷川「はぁー… そりゃあまた思いきったことをしましたね」
『てなわけで今井には谷川から説明しといて』
谷川「え」
『私が小鳥遊Aだってこと。
ほら、今井に言って聞かせるの面倒くさそうじゃん？』
谷川「だからって俺に押し付けないでくださいよ……」
そうぼやきつつも、「今井さん理解できるかなぁ……」と呟いていたので、一応谷川の方から今井に説明してくれることになりそうだ
伊藤ちゃんの手をティッシュで拭いた時に関してもそうだったが、谷川の性格の良さが滲み出ている
なんかもうゆるキャラ的な感じよね、谷川
ほっぺぷにぷにしたい
伊藤「小鳥ちゃん、体調大丈夫そうだったらもう帰って良いって、先生が…
……何してんの？」
谷川のほっぺに指をそーっと伸ばしていると、瞼に絆創膏を貼った伊藤ちゃんがドアを開けて入ってきた
『…………いや別に』
谷川「嘘つけ
さっきからめちゃくちゃ視線感じてたからね
俺の横顔に突き刺さる視線」
そんなに谷川のことを見ていたつもりは無かったのだが、気付かれていたようだった
谷川のほっぺに後ろ髪を引かれつつも、伊藤ちゃんと共に病院を出た
帰り道──
伊藤「…そしたら京ちゃんがね、……」
『最近京ちゃんとデートとか行ったりしてるの？』と聞いた私がバカだった
さっきから永遠と京ちゃんとの惚気話を聞かされている
今伊藤ちゃんが話しているエピソードを聞くのは5回目だ
最初の方は『それもう聞いたよ〜』と一応笑顔で返していたが、それももうバカらしくなって途中からは『うんうん、そうだね〜』と無表情で返すようになった
しかしこの脳内お花畑のトゲトゲ頭の優男は、鼻の下を伸ばしてデヘデヘと惚気るだけで私の気持ちには一向に気付く気配がない
彼氏がいないのに惚気を聞かされる私の身にもなって欲しいものだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 177人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沫手 飾(プロフ) - まず、受験お疲れ様です。私は貴方様の作品が大好きです、強い女性がとても好きで主人公が癖ドンピシャなんですよ。地の文もすごく綺麗でめちゃくちゃ読ませてもらってます。辛いこともあると思いますが頑張って乗り越えてください。応援しいてます。 (2023年3月10日 17時) (
レス) @page17 id: 3a5b00d9a1 (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - 蒼央さん» ご期待に添えず、申し訳ないです……お言葉に甘えさせていただきます！！ (2023年3月10日 16時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
蒼央(プロフ) - 作者様のペースで全然大丈夫です！いつまでも更新待ってます！ (2023年2月27日 18時) (レス) @page16 id: 8cc8722268 (このIDを非表示/違反報告)
綾木 麗(プロフ) - 真昼の星さん» うわああああ……ありがとうございます……そう言っていただけて本当に嬉しいです！！！ ご期待に沿うことができるように頑張ります！！ 読んでいただき、ありがとうございました (2021年5月18日 19時) (レス) id: 5a575a9999 (このIDを非表示/違反報告)
真昼の星 - とってもおもしろかったです！続きも楽しみにしてます！ (2021年5月18日 7時) (レス) id: 8d7b2c35f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綾木 麗 | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月21日 19時
