夏、恋が始まる季節。【黒】 (ページ34)

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それから少しした後……

目「もう大丈夫？」

「うん、ありがとう。」

目「ん、……送るわ。立てる…？」

手を差し伸べられる。

「いや、いいよ。大丈夫だから…、え？」

でも迷惑になるから断った。
そしたら、強引に手を繋がれた。

目「何言ってんだよ、しゃがんじゃうくらい体調悪かったのは誰？笑」

ゆっくり立たせてくれる。
ほんと、優しい。
もう断れないじゃないか。

「ごめんなさい、私です笑」

めめがふはって、いつもの笑い方で笑った。
それだけでもカッコいい。
でも…その後が駄目だと思う。

あたま……なでられた…。

いや、さっきも撫でられたんだけど。
それは私が泣いてたからで。
今のは何…！？

混乱している私をよそにめめは手を繋いだまま歩きだした。

目「えっと、途中まで俺と一緒だからって…川崎？」

反応のない私を不思議に思ったのかめめが振り返る。

目「どした？…あ、歩くスピード早い？」

「ううん、違うよ。ありがとう…！」

本当に違う。
今でも十分ゆっくり歩いてくれている。
背も低くて体調の悪い私に合わせて。
それが分かるから今できる最大級の笑顔をつくってお礼を言った。

その後、家の前まで送ってもらったんだけど……私とめめは大分家が近かった事が判明。
その時は嬉しかったけどね、家についたらまた体調が悪化。
お母さんにも心配かけちゃったし、明日は学校休まないといけないかもな…。