愛されたい貴女へ【短編集】 (ページ5)

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いじめられている貴女に ver.green ページ5

最近、クラスの皆に無視されたり、私の物が無くなってたり、嫌がらせが多いんだ…
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side urt
高校教師生活を始めて約6年、今の高３クラスで｢いじめ｣が起こっている。受けているのは、成績が良く、誰に対しても優しく、気が弱い女の子。

彼女は優し過ぎるのに加えて我慢しすぎるところがあるから俺から話さないと多分、本人からは一切話してくれない。今日の放課後、呼び出してみるか……

う｢A、今日の放課後、頼みたいことがあるから職員室来てくれるか？｣

｢分かりました。放課後に職員室ですね。｣

う｢ああ、よろしくな｣

side you

先生に呼び出された。怒られるのかな…。部活に行ってもどうせ仲間外れにされるだけだ。先生に怒られる方がよっぽど気が楽だ。

……先生はこのいじめの事、気づいてるのかな。

(放課後)
｢先生、用事ってなんですか？｣

う｢あ、来た。よし、相談室行こっか。｣

相談室っていうのは進路のこととか先生と生徒が面談するための部屋。……え、私やっぱり怒られる？！

う｢単刀直入に聞くね。今、クラスにいるの、辛いでしょ？｣

｢え……なんで……知ってる……｣

う｢一応俺も教師なんだよ。お前の気持ちぐらい表情とか見てればわかる。でも、もっと早く助けてあげられなくてごめん。それは本当に謝る。ごめん。｣

｢いや、先生が謝ることじゃないんです。断じて。…まあ、私が嫌がらせを受けるのは私に原因があるからでしょうし……｣

う｢いつも謙虚過ぎ。優しすぎ。それは良いこと。でもね、それがAをもっと傷つけるんだ。もっと頼ってよ。担任なんだし。俺は知りたいな。Aが思ってることとか、悩んでる事とか。｣

こんなに直接先生から嬉しい言葉を言われたことがなくて、涙が零れる。

｢…ごめんなさっ……私、｣

う｢無理して教室に来なくてもいい。もうこのクラスも終わる。ただ1つ言えることがあるとするならば、俺はお前を何がなんでも守る。それだけ。｣

それから私は涙が止まらなくて、ずっと泣いた。その間中ずっと先生が横にいて背中をぽんぽんしてくれていた。それだけで安心出来た。

結局私はそれから保健室登校を続け、そのまま卒業した。毎日先生は勉強を教えに来てくれて、｢学校に来れて偉いね｣って言ってくれた。

卒業式の日に先生に告白されたっていうのはまた別のお話…