ご近所さんに恋をした2 (ページ10)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:12,012 hit

②ー⑩ ページ10

「ごめんね、狭くて。」

渋「んぁ？充分やろ。
のぼせたん？顔、赤いで。」

「いや、大丈夫。
明日…何時？」

私はアラームをいじりながら聞く。

何も返ってこないから、顔を上げてみると
目の前には彼の顔が。

驚く間も無く、触れた唇。

持っていた携帯を落とした。

渋「明日…昼からだから大丈夫やで。」

何もなかったように自分の布団に戻った
彼に…なんだか腹が立った。

布団に入って、目を瞑る彼に
おもいっきりマクラを投げつけた。

渋「ぐほぉっ！痛っ！！何すんねん！！
顔はやめろやっ、死ねかと思ったわ。」

「なんかムカついた。
私だけ、ドキドキして…意識して…。
バカみたいじゃん。」

子供みたい…。
ただのダダっ子じゃん、これじゃぁ。

渋「はぁ～。
これ以上、でけへんやろ？

俺かて…ドキドキやねん。
いろいろ我慢しとんねん…ほら！！」

彼の心臓に耳を当てられた。

「本当だ…。ドキドキしてる。」

渋「やろ？
好きなやつとおって、こうなんのは普通やろ。

さっき、お前くる前に楽が来て…
“隣おらへん”って煽られたわ。

フッ、どんな弟やねんっ！？」

「分かった。でも、一緒に寝たい。

ダメ…？」

渋「ダメやないけど…。
ほな、こっち来ぃ…。」

私は素直に彼の布団にお邪魔した。

彼が電気を消して…布団に入った。

渋「おやすみ…。」

そう言って逆を向いてしまった。
それが寂しくて…

「ねぇ…チュゥはぁ？」

背中に向かって言ってみた。

反応なし…もう寝た？
ウザかったかな…。

「ごめん。おやすみ…。」

呟いた。

渋「だぁー！もぅ…何で謝んねん。

声…我慢せいよ。」

私はビックリして…頷いた。

渋「ホンマ…どんだけ煽んねん。
もう我慢できへんからな…。」

彼の唇が重なった。

暗くてはっきりは見えないけど…
照れてる気がした。

私は自分で彼の首に手を回し
唇を求めた。

だんだん…深くなる。

渋「A…？」

上から見下ろし、私の名前を呼ぶ声は
いつもの何倍も甘かった。

「ん？」

渋「好きや…。」

涙が溢れた。

彼の顔を両手で挟み…

「すばるくん…が…好きだよ。」

そう言って…また唇を重ねた。

私の手を握り…
彼の唇は、まぶた…鼻…唇…頬…と
だんだん下へと降りて行く。

首すじで一度離れ、彼は止まった。

渋「……。」

無言で見つめられている。
それだけで私の身体は火照っていた。

限界だったのは私の方だった。

「すば…る…来て…。」

私達は静かに愛した。