�◆辞↓� ページ25
渋谷side
空はゆっくりとオレンジに染まり始めとった。
楽「何でA別れたの？」
俺を見ないで楽はそう言った。
渋「分からん…。
俺も…分からへんねん。
突然家来て…別れて下さい。言われて、
なんのこっちゃ分からず…
連絡も付かへんから、どうにもできんかった。
約束したのに…すまんなぁ。
守ってやれへんかった。」
楽「俺らが聞いても…何も言わない。
ごめん…しか言わないんだよ。
これで倒れたの…何回目だよ、アイツ。
今、母さんが親父のとこ戻って仕事調整してる。
母さんが戻って来たら…
Aは家を出るかもしれない。
あの家は…
すばるとの思い出がありすぎるだろ？」
渋「ほっか…。」
何を話したらえぇか分からんかった。
別れを切り出したのは、Aやったから
俺が何かしたんなら…と思うたけど
全く見当が付かない。
女関係なんぞ…
アイツらと関わるようになってから
全く持って何もない。
今日…
始めて楽が俺と目を合わせて言うた。
楽「Aの事だから…
誰がのために身を引いたんだと思う。
なぁ…すばる。
なんか…事務所から…
圧力かけられてたりしないよな？」
渋「事務所？
いや…ないと思うけどな。」
ふと…あの時のマネージャーの反応が蘇った。
渋「すまん…。
ちょっと確認してみるわ。
分かったら…連絡する。
Aの事頼むわ。」
走り去ろうとした俺の背中に
楽からの激励を浴びた。
楽「すばるっ！！
俺らは、誰もすばるの事嫌いなってないから！
むしろ…ビックリするくらい
お前の事、信じてるから…！！
忘れんなよ。」
俺は背を向けたまま…手を振った。
そして…ヤスに訳を話し…
マネージャーに連絡を入れた。
渋「緊急事態やっ！すぐ、家来れるか？」
二つ返事で電話を切り…よほど慌てていたのか
息を切らしながら現れた。
マ「何ごとですかっ！？」
渋「なぁ…
Aになんか言うたか？」
マ「えっ、ぃや…何も。
そんな事なら帰りますよ…。
全く、緊急事態じゃっっっ！！」
俺はマネージャーの胸ぐらを掴んでいた。
静かにそれを見ていたヤスが
止めに入り…普段は絶対に出さんような
低い声で睨みつけた。
安「そんな事？
Aちゃん…今どこにおるか知っとるか？
病院やぞ。
人一人の人生めちゃめちゃにしといて
何をほざいとんねん。」
渋「知っとる事全部教えてくれっ。
頼む…。」
そうして…
全て聞いた俺は…動けへんかった。
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作者名：すばくら | 作成日時：2018年10月28日 14時
