君に恋するその瞬間 (ページ31)

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③① ページ31

「えっ？何で…。」

滝「申し訳ない…君を試すような事をして。」

滝沢さんは深々と頭を下げた。

状況を理解出来ていない私は軽くパニック。

滝「君の本当の気持ちを知りたくて
こんな事をしてしまった。

あえて煽るような言い方をしてしまって
本当に申し訳なかった。

職業的にいろんな人と関わっているから
幼馴染みとはいえど確認しておきたかったんだ。

でも、Aさんは心配ないな。
俺たちよりも樹やSixTONESの事を理解して
大事に思ってくれてるのが分かったから。

くれぐれも気をつけて。
樹の事だけじゃなく、あなた自身も。

これからも田中樹を宜しくお願いします。」

滝沢さんはそう言ってまた、頭を下げて
部屋を出て行った。

ドアですれ違う樹に最後何か言っていたが
私にまでは届かなかった。

ゆっくり…樹が私のところに向かって来た。

樹『グスッ…ありがとう…。』

鼻を啜りながら出た言葉は震えていて、
抱きしめてくれた手に力がこもっていた。

私は咄嗟に彼の背中に手を回し、
トントンっと落ちつかせる。

「泣き虫…。
ビックリしたよ…樹はいないと思ってたから。」

樹『ごめん、試すみたいな事して。』

「それは大丈夫。
危なく滝沢さんの事、嫌いになりかけたけど。

樹の事を思ってしてくれた事だと思うから…許す。
はぁ…今になって緊張して来たかも。」

私の手は今になって震え始めた。

その手をぎゅっと握り、引き寄せ…
不意打ちのキス…。

事務所の応接室でいいのか？と思いつつ
彼の温もりに安心して甘えた。

「バーカ…」

2人でおでこをぶつけ笑いあった。

私と樹はこうして同棲をスタートさせる事になった。

今までの家でもよかったけど、
よりセキュリティーが充実したところに
引っ越す事になった。

新しい部屋で、新しい生活がスタートする事が
嬉しくて、ドキドキしていたけど…

「「カンパーイっ！！！」」

そう上手くはいかないのが、私達なのかも。

引越し祝いと称して、大量ののお酒と料理を
持ち込んできたのはSixTONESの5人だった。

キッチンで準備をしてる私のところに
スタスタと樹がやってくる。

樹『なんかごめん。イキナリ大騒ぎで。』

「いいんじゃない？ここ音漏れしないし…
楽しいから。」

そう笑顔で返せば腕を引かれ、みんなからは死角になる。

樹『後でいっぱいイチャイチャしような。』

チュッとかわいいキスをした。

そしてこの宴は案の定朝まで続いた。