君に恋するその瞬間 (ページ25)

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②⑤ ページ25

樹side

ドラマが決まった。

内容が内容なだけにAには言いづらい。

そんな濃厚な物はないにしても

どうやって伝えようか悩んでいる俺に…

風「何、その顔…ヤバいよ？！」

樹『あー、ドラマの事どう伝えよか考えてた。』

風磨と飯食いながらも考えてしまっていた。

風「なんで？そんな嫉妬するタイプだっけ？
Aちゃんて…。てか、うまくいってんの？」

樹『まぁ、そこまで激しくするタイプじゃないよ。
ただ、昔からのクセでそうゆうの隠すんだよ…
前よりは分かりやすくなったけど、
あんま会えない時とかは…
中々気づいてやれないんだよなぁー。

上手く行ってますっ！！』

風「はいはい、ご馳走様です！！
じぁー早く会いに行ってあげろよ！！」

樹『今日遅いんだよ、会議だって…。』

その後も風磨に惚気ながら、酒がすすんだ。

お開きになったのは深夜2時過ぎだった。

アイツからの連絡は特になく、寂しさを感じ
家路に着く。

家の1番近くのコンビニにタクシーを止め
そこから歩いて帰る。

徒歩5分…暗闇の中すれ違った瞬間に感じた…

樹『おいっ！何やってんだよ？！』

彼女の感覚…。

こんな時間に一人で歩いて…俺ん家の方から…

「わぁっ、ビックリした。えっと…」

樹『とりあえず来いって！』

一気に酔いも覚め、彼女の手を引き家へ入る。

スウェットのパーカーのフードを
目深に被って、シュンっとしている彼女は
家にはいるなり…俺の服の裾を掴んだ。

「ごめん…連絡したんだけど、返信なかったから
勝手に来ちゃった。でも…いなくて…。」

樹『ワリー、電源切れてて…。』

裾にある彼女の手を取れば、ちょっと冷たくて…
悪い事したなって思って…そのまま手を引き…
前でハグする。

樹『今日、会議で遅かったんじゃないの？
俺…風磨と呑んできちゃったよ。

鍵開けて、入ってればよかったのに…。』

「うん、会議…はまぁ、21時過ぎに終わった。
そう思ったんだけど…明日もあると思って。

会議の前にね…翔太くん、来たの。

それで…その…ドラマの事聞いて…ちょっと気になって。」

あぁー、やってしまった。
確かにしょっぴーにも言ったわ。

樹『あー、隠してたわけじゃねーんだけど。
なんつーか…その…内容がさ、複雑で…。』

「分かってるよ…伝えにくかったんでしょ？
まぁ、そんな事だろうと思ったけどさ…
なんか…会いたくなっちゃったんだもん。」

背中に回った彼女の手に力が入った。