君に恋するその瞬間 (ページ17)

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樹side

酔っ払った彼女はとりあえずシャワー浴びて
すでに寝ている。

そんな寝顔を見るのが、俺の幸せな時間…。

不安にさせてごめん、の気持ちを込めて
おでこキスをする。

分かってるのか、偶然なのか…彼女の顔がニヤける。

樹『ふっ…！』

吹き出しそうになるのを堪え俺も目を閉じた。

あんまり呑んで無いけど、意外と早く夢の中へ。

朝…

カーテンの隙間から差し込む朝陽で目が覚める。

隣りに居たはずの彼女は居なくて、風呂場から
鼻歌が聞こえた。

俺はリビングのソファーでうずくまり…目を瞑る。

遠くで彼女の声が聞こえた。

「…り…、ゅり…樹ってばっ！」

樹『ぉん？もう…風呂出たの？』

寝起きの状態でなんとか絞り出した問いに、彼女は…

「だいぶ前にね…こんなとこで寝たら風邪引くよ！」

樹『うん…俺も起きるわ…ふぁ〜。』

気持ちいい二度寝も終わり、知らぬ間に用意されていた
朝飯を食う。

樹『うまっ。』

「ふふっ、良かった！」

隣りでニコニコな彼女と過ごす
ゆっくりした時間は何よりのリフレッシュになる。

Aは昔から変なところで気を使う癖がある。

言いたい事を我慢したり、周りに合わせたり…。

俺達と仲が良かった事で嫌がらせに合ってたりもした。

その時は誰かしらが気付いて、どうにかしていた。

でも…今は…これからは…

俺がちゃんと守って行こうと決意を新たにした
朝だった。

「ん？何…？なんか付いてる？」

樹『ん？見てて飽きない顔だなーって思って。』

「それは…誉めてる？」

樹『最上級の誉め言葉ですけど…？』

チュッ…

コロコロ変わる表情が可愛くて

身を乗り出してキスをした。

「なっ…バカっ！！」

樹『へへっ…ご馳走様でした！！
一服してくるわら…。」

俺は満足気にニヤニヤして、タバコを持ってベランダへ。

後ろにチラッと見えた彼女はちょっと照れながら
微笑んでいた。

”うっわぁ〜好きだわ〜”なんて柄にもなく
ときめいた瞬間だった。
　