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あれから泣き疲れて…
私は章大と一緒にソファーに横になっていた。
安「起きたん？目…真っ赤やん。」
困ったように笑った。
「ごめん…。
章大の方が大変なのに、私が泣いて。」
安「ううん…むしろありがとうやで。
僕の分まで泣いてくれて…。
電話で話す、話やなかったな。
ごめんな…。」
私は首を横に振った。
安「ちゃんと話すから、聞いてくれへん？」
今度は縦に首を振る。
章大は事細かく、今回の事を話してくれた。
その間もずっと…私の手を握りながら。
話しが終わったのはもう…
日付がかわる頃だった。
「分かった。
手術までくれぐれも無理しないでね！！
なんかあったら必ず言ってね！！
急に来てごめんね。帰る…ね。」
立ち上がった私の腕を取り…
安「帰るん？
もう、こんな時間やで…。泊まっていきや。」
上目づかいで訴えられる。
「急いで来過ぎて、何も持って来てないよ。
明日も仕事あるから…今日は帰るよ。
大丈夫…すぐそこだし。」
安「アカンッ！！なら、送る。
これ着て。」
そう言ってふわふわの暖かいパーカーを
かしてくれた。
この人は撮られたらとか気にしないのかな…。
まあ、深夜だから人気もないから大丈夫かな。
とか思ってしまった。
少し距離を置いて歩く。
さっき、走って来た同じ道なのに
すぐに私の家まで着いてしまった。
なのに…章大は止まる事なく
マンションの中に入って行く。
その姿を追いかけて、エレベーターに乗る。
そこで初めて声をかける。
「章大？どうしたの？」
ふと繋がれた手…
ギュッと握られたその手を見つめる。
私の部屋の階に着きそのまま
部屋まで一緒に入った。
玄関で…黙って立ってる章大。
手も繋いだまま。
今になってドキドキしてきた。
どうしよう…。
章大を見つめていたら目があった。
その瞬間…
顔を両手で挟まれ、唇が奪われる。
思わずギュッと目を瞑ってしまい
ゆっくり開けたら、少し離れて抱きしめられる。
安「手術終わって…退院したら
どっか行かへん？」
「ふ、2人で？」
安「おん、2人で…。」
「うん…楽しみにしてる。」
安「じゃぁ、おやすみ。」
名残惜しそうにお互い…ゆっくり手を離す。
静かに閉まるドアを私はしばらくの間
見つめていた。
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作者名：すばくら | 作成日時：2019年7月3日 5時
