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安田side
大倉からの電話は…
“Aのとこにおるんやったら拾って行く”
言うことやった。
僕は寝起きの頭で何とか答え
電話を切った。
珍しく早起きしたらしい大倉からの電話は
僕を現実へと連れ戻した気がした。
“もう少し寝たら”と彼女が言うから
甘えたい気持ちを抑え切れず…
隣に引き込んだ。
何でか離れようとするAを
自分の方へ引っ張って腕枕をする。
そのまま…
僕は…無意識に彼女にキスをしようとした。
アレ？
僕、何しとるんやろ？
Aが困っとるんのに…
せやけど…今は…彼女の唇に触れたかった。
彼女に問いかけても
下を向いてしもうて…アカンよなって気づいた。
頭ポンポンして、謝ったら…
真っ赤な顔して“嫌じゃない…”って
言うてくれて
そのまま俺は…
Aとキスをした。
思った以上に柔らかい唇に
僕の中の雄が目覚めそうになったのを
必死に抑え…また抱きしめて眠った。
幼馴染み…
絶対的な僕の味方…。
Aだけにはどんな自分も見せれた。
特別な女の子…
そう気付いたんも最近で…
たぶん…僕は…
彼女なしでは立てないと改めて感じた。
お昼すぎ…
目が覚め、あの状況でよう寝れたなと
思いつつ隣りにおったAはおらんくて
リビングの方から音が聞こえた。
こっそり覗いてみたら…
健気にご飯作ってくれとって
ちょっと胸キュンしてもうた。
安「おはよ。めっちゃええ匂い。」
「おはよ、食べれそう？」
僕は頷いて彼女の側に行く。
きっと…
気を使って何もなかったように
接してくれとるのに…
何だかんそれが無性に寂しくて…
“ん？”ってこっち向いたその隙に…
チュッ
軽く音を立ててまた唇を重ねた。
見る見るうちに赤くなり、フリーズする彼女を
そのままにして…出来上がった料理を運ぶ。
「もう…バカっ！」
全然痛くない肩パンをくらって
二人でご飯を食べた。
家を出る時…
Aから抱きしめてくれて
“いってらっしゃい”と言ってくれた。
僕は…少し離れて…
“いってきます”とまたキスを落とす。
もう一度強く抱きしめ…家を出た。
大倉の車に乗り込むと…
大「何やねん…ニヤニヤして！
気持ち悪いわぁ〜！！笑
何かええ事あったん？」
安「んー？
まぁ…ちょっとなぁ…。」
僕は心の中で次は我慢出来へんなぁ…
と思いながら流れる景色を見とった。
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作者名：すばくら | 作成日時：2019年7月3日 5時
