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章大に別れを告げてから数日。
仕事が終われば、奴に捕まり…
行為を迫られる。
断れば、写真をちらつかされ…
何とか理由をつけて身体の関係は回避している。
奴に唇を押し付けられた日は
家に帰ってずっと洗ってしまう。
おかげもう、私の唇はボロボロ。
リップで庇いきれる範囲は超えていた。
家には絶対あげない…。
早くお風呂に入りたい…。
この仕事も、お店も大好きなのに…
辞めたいと思ってしまう。
考え事をしながら家に着いたので
自分の部屋に灯りがついている事に
気付かなかった。
部屋を開けて…
彼の姿が見えて、やっと気がついた。
「しょぅ…た…、どうして？」
合鍵を返してもらっていなかった。
安「おかえり。
やっぱ納得できんもん、会って話さなきゃ。」
逃げ出したかった。
それなのに、身体は動かず
彼の温もりを求めていた。
安「泣くほど嫌いになったん？
Aは嘘付くん、ホンマに下手やな。
まぁ、そこがええとこなんやけどな。」
章大は私に手を伸ばす。
「ちがっ…グスッ…」
抱きしめようとする彼の手をよけ
後ろを向く。
「私…汚いから。」
そんなのお構いなしにグッと抱きしめられ、
頭を撫でられる。
安「大丈夫やから…なんも汚くなんかないで。
何があったん？」
「私…」
写真を見られた事…から全て、
奴にされた事も章大に話した。
「ごめんなさい…。」
私は泣きながら謝った。
安「Aは何も悪ない。
ごめんな…側に居てあげられんくて…。
もう、大丈夫やから。
ちゃんと消毒したるから…」
章大はボロボロの私の唇に
優しくキスをした。
反射的に離れてしまう…それでも彼は
“大丈夫やから”と言って、また重ねる。
私は章大に身を委ねて泣いた。
彼はずっと抱きしめていてくれた。
落ち着いて来て、我に返る。
「ごめん、章大…身体痛いよね？」
安「ん〜せやけど、今は離れたない。」
廊下から、リビングに移り
また抱きしめられ…キスをされる。
安「ちゃんと守るから…。
もう、心配せんでええからなっ。」
男らしい章大にまた感動して涙を流す。
この日は一緒にお風呂に入り
眠りにつく時もずっとくっついていた。
ベッドの中でボソッと…
安「早よ抱きたいっ。」
なんて言うから…恥ずかしくて顔を真っ赤に
しながら眠った。
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作者名：すばくら | 作成日時：2019年7月3日 5時
